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運命の相手は私ではありませんよ!

「ゆゆゆ、ユーリさま…」


突然のことに私は慌てて言葉に詰まってしまう。

彼は笑ってるけど、目が全然笑ってない。

どうして、何で!

私怒らせるようなことをしたのだろうか?

だって、二人の仲には全く邪魔していないはずなのに。


「だ、だって、殿下はアマリア様のことが気に入っているのではありませんか?私のことは全然気になさらないで下さい。お二人の幸せが私の幸せですし、いつでも喜んで婚約破棄を受け入れます」


私は必死にユーリ様に伝える。

ここで私は二人に対して害が無い存在でないことをアピールしなければ。


そんな私にユーリ様は笑顔でため息をついた。

「きみはまだ僕の気持ちが理解出来ないようだね」


ユーリ様は私の顎を指で軽く持ち上げ、顔を更に近づけた。


「彼女には学園に慣れるまでの間だけ一時的な補佐をしていただけ。僕が本当に愛しているのはきみだけだし、間違っても婚約破棄なんてしない。絶対に逃がさないよ。僕だけの愛しい人」


そう言ってユーリ様は顔を近づけて来る。

彼の顔がゆっくりと迫る。


どうしてユーリ様は私にここまで執着するの!

小説の方ではここまでなかったのに。

でも、このままではいけない!

彼とキスをしてしまう。


「まっ、待って下さい!」

「悪いけど待てないから」


ユーリ様を引き剥がそうと力を入れるが、彼の力が強すぎてビクともしない。

ユーリ様のことは嫌いではない。

寧ろ彼の優しいところ、民を大切に思い、自分の持てる力を尽くそうとするところは共感さえも持てるし、何より顔が良い。

きっと誰もが彼のことを好きになる。

だけど彼はアマリアの運命の人。

相手は私ではないのだ。


彼の唇と私の唇が重なろうとした。

その時…────。


ドサッと何かが落ちる音がした。

振り向くとそこには腕に抱えていたであろう教科書を落としたアマリアが立っていた。


「あ、あの…ごめんなさい」


アマリアは急いでその場から駆け出す。


「待って!」

「ハルカ」

「ごめんなさい殿下。追い掛けないと!」


私の手を掴んで引き留めようとするユーリ様の手を振り払い、彼女の後を追い掛ける。


マズイ、マズイ、マズイ!

絶対に勘違いされている。

アマリアは傷ついているかもしれない。

必ず誤解を解かないと!


そんな思いから急いで私は彼女の後を追い掛けたのだった。

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