デート2
ポケットの中から懐中時計を取り出して見る。
約束の時間は10時だったが、10分程早い。
気長に待とう。
そう思っていた。その時。
バタバタと慌ててこちらの方に駆け寄って来る一人の人物がいた。
「ごめんね。ハルカ!随分待たせたよね!」
青年は美しい金髪を後ろで黒のリボンで一つに纏め、清楚感がある白のシャツ、茶色のズボン、帽子を被っていた。
随分と美形な青年だった。
「あの…誰でしょうか…?ごめんなさい。私、友人を待っているのですが……」
親しげに話しかけて来る彼が誰だが分からずに私は多少警戒しながら彼に訊ねる。
青年は一瞬キョトンとし、そしてすぐにクスクスと笑い出した。
「私だよ。ハルカ。アマリアだよ。この格好で会うのは初めてだから、びっくりさせちゃったよね」
「アマリアなの!全然わからなかったよ!」
彼の言葉に私は驚く。
普段の可憐な女性の姿の方がいつも見慣れていた為、全然気づけなかった。
「今日はきみとお出掛けだから、本来の私の姿で来たけど、どうかな?」
悪戯っぽく言う彼に私は力説するように即座に答える。
「いつもの可憐で可愛い姿も素敵だけど、今日の姿も凄くカッコ良くって素敵だよ!」
「ふふっ。有難う」
綺麗に笑うアマリアに対して私は思わず胸がドキリとして顔を逸らした。
「意識させることは成功した感じかな?」
「えっ?」
彼の言葉が聞こえず、私は思わず不思議そうな顔をする。
そんな私に対して彼は何でもないような顔をした。
「それじゃあ、行こうか」
アマリアはそう言って私の手を取り、その場から歩き出した。
普段は気にならなかったのに本来の彼の姿である男性の姿のせいかゴツゴツとした男性の手を感じてしまい、彼が男性なのだと改めて実感して意識してしまい、顔が赤くなる。
私は恥ずかしさのあまりに彼に言った。
「あ、あの手…」
「何いまさら言ってるの?このくらい普通でしょう?学園にいる時だって、良く繋いでいるじゃない」
「だって…それは友達だから…」
アマリアは私の顔を覗き込み、クスッと妖艶に笑いながら言った。
「もしかして、ドキドキしちゃった?」
彼の言葉に思わず私は顔をぼっと赤くしてしまう。
「そ、そんなことは…」
誤魔化すように言う私に彼は自信気に優しく言った。
「今日は絶対きみを楽しませるから、楽しみにしててね」
彼は歩き出す。
結局私の手は彼に開放されることはなかった。




