2人きりのランチ
翌日。
午前中の授業が終わったあと。
いつものようにアマリアが私に話し掛けて来た。
「ハルカ。中庭のテラスに行こう!私、今日お昼ハルカの為に頑張って用意したんだよ」
天使のような笑みを浮かべながら可愛らしく表情をするアマリア。
可愛い~~~!!!
やっぱり癒される!!!
さすが小説の中のヒロイン。
可愛さは国宝級並みに可愛い。
(いや、違う!アマリアは女の子じゃなくって男の子よ!しっかりしなきゃ!!)
あやうく彼女…彼の可愛さに我を忘れるところだった。
そもそもアマリアはユーリ様の計らいで特待生としてこの学校にいる。
本来彼の目的はユーリ様を手に入れるために、この学園に留まっていたらしいが、今は違うらしい。
「ありがとう。凄く嬉しいわ。では行きましょうか」
「うん」
私とアマリアは教室を後にして中庭のテラス席へと向かった。
中庭のテラスには花々が近くに植えられており、今の季節は色とりどりの美しい花が咲き誇っていた。
学園の中で中庭のテラスも人気だが、それよりも学園の中にはお洒落なサロンがある。
そこでは爵位が高い貴族令嬢達が集まり、お茶をしている。
逆に爵位が低い者は近づかない。
学園では身分は関係ないとされてはいるが、自然と爵位が低い生徒達は萎縮してしまい、逆にそれを逆手に取ってサロンを独占している生徒が目立っている。
私も一度誘われはしたが丁重に断った。
彼女達のように権力を盾にしたくはない。
それに私の立場はユーリ様の婚約者。
私がそこにいるだけで彼女達を勘違いさせてしまい、あろうことか派閥や学園の女王とされたくはない。
平穏な学生生活を過ごすためには関わらない用にするのが一番。
私とアマリアの二人は近くのテラス席に行き、席についた。
アマリアは手にしていたバスケットの中から小さめの水筒とカップを取り出してお茶を淹れ、バスケットの中身を開いた。
中にはハム、レタス、チーズ、トマトの美味しそうなクラブサンドが入っていた。
「美味しそう~~~!!」
「良かったです。以前、ハルカ私が作ったサンドイッチ褒めてくれましたので、今回はクラブサンドにしてみたのです。さぁ、食べて下さい」
「ありがとう!では、頂きます」
お言葉に甘えて早速クラブサンドを一つ手に取り、口へと運ぶ。
トマトの瑞々しい旨みと酸味、レタスのシャキシャキ感、濃厚なチーズの美味しさが口の中に広がった。
「美味しい~~!!!やっぱりアマリアは料理も天才だね!可愛いし、すぐにでも結婚したい方が現れるかもだよ!」
「では、あなたが貰ってくれますか?」
アマリアは私に迫るように顔を近づけ、甘く見つめる。
姿は可愛い女性だが、その顔は男性の顔をしていた。
可愛さと男性の凛々しさを入交にした表情に私は思わずドキリとして、慌ててアマリアから身を引いた。
「えっと、あの…」




