嫉妬。
「それで、話とは何なのかしら?」
教室から中庭に移動した後。
私達は中庭にある白いテーブル席でお茶していた。
学園の中庭にはベンチやテーブル席があり、誰でも身分差関係なくお茶が出来るようになっていた。
「アマリアさんのことだけど…。あなたが彼女から影で嫌がらせをされているって聞いたのだけど…」
セイラの様子を伺うように私は彼女に訊ねた。
あの後、私はアマリアの噂の出処を調べた。
他の女子生徒達はアマリアが王妃の地位を狙い、ユーリ様に近づき、婚約者である私を虐めるだけでは飽き足らず、私の友人であるセイラにも嫌がらせをしていることを知った。
噂の元凶は目の前にいるセイラ。
彼女はアマリアの噂を意図的に流していた。
それも噂好きの令嬢を中心に。
彼女達に噂を流してしまいさえすれば、自然に噂は広がっていく。
そう思ってのことだろう。
だが何故彼女はここまでしたのだろうか。
セイラがアマリアをここまで憎む動機が分からない以上、ここは彼女に直接確かめる必要がある。
セイラは俯きがちに顔を曇らせながら悲しげに言った。
「ええ。そうよ…。隠していた訳じゃないの。あなたに心配掛けたくなくって。それにあなたもあの子に迷惑しているのでしょう?あの子以前まで殿下に付き纏っていたみたいだったし」
「それは…」
「ハルカ。無理しないで」
セイラは私の手を握り、私の顔を覗き込み、心配した表情で私に言った。
「あなただって、あの子から虐められているって噂で聞いたわ。あなたは殿下の婚約者だから我慢しているようだけど、貴族でもないあんな子が殿下の傍にいるなんて身の程知らずだわ!平民なら平民らしく引き下がっているべきだと言うのに!」
最初は心配そうな顔をしていたセイラだったが、徐々に怒りを顕にしていった。
その様子を見て私は確信した。
やっぱり彼女が意図的にアマリアを陥れようとしていたのだと。
「セイラ。あなたがアマリアさんの噂を流したのね。私がアマリアさんから虐められていることを」
「えっ…?何のことを言っているの突然……。ハルカ、あなたらしくないわ。一体どうしたのよ…?」
私の言葉にセイラは動揺する。
まさか私からこんなことを言われるとは思っていなかったのだろう。
私はユーリ様の婚約者。
アマリアとユーリ様との距離が近くなることは私にとって面白くない、彼の心が離れてしまう。
そう彼女から見たら私はそう思われていたのかもしれない。
だけど、私からしたらそんなの全然かまわない。
むしろ私はそれを望んでいるもの。
だからこそ、私は彼女に告げる。
彼女の間違いを正す為に。




