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③友人の家に行こう



とりあえず近所の知り合いの家に行くことにした。


まず靴だ。とにかく靴が無きゃどうにもならん。



ドンドンドンドン


「はいは~い。どちら様~?」



ドアが開く。


「あ?近藤京太郎?なんの用?」


友人の北中島三太 同じ学年の、科は違うが、グラフィックデザインをやっている男。


友人ではあるが、朝10時に、突然部屋を訪問することは無い。


「靴を貸してくれ。あと金。あと上着。」


「はぁ?いきなりなんだよ?まず説明をしろ。」


「腕輪を拾ったら中から悪魔が出てきてそいつが何かに追われてるらしく俺の部屋が爆破された。


とりあえず逃げるために靴が必要。」


とんでもないバカを見る目で俺を見ている。まぁ、そうなるだろうな。


後ろを振り向くと、黙々と煙が上がっていた。


「あれ見ろ、あれが俺んちだ。」


「うわ、マジでお前の家の方向じゃん。」


北中島三太は身を乗り出して外を見る。


「はぁ~い。」


「うおおっ!!」

「うわっ」


突然出てくるアスタロト。相変わらず裸だ。


「おねが~い。私を助けると思って、貸してぇ~ん」


裸で北中島三太に手を組んで迫るアスタロト。


「お前なんでまだ裸なんだよ。」


「回復に力使って服を作る気力も無いのよ。」


北中島三太はその光景を見て、いきなりキレた。


「女嫌いのお前が何でこんな超絶美人と仲良くしてんだよ!!?なんで裸なんだよ?」


「仲良くしてねぇよ。取り憑かれてんだよ。」


「わかった、ちょっと待ってろ。」


そういって北中島三太は新品のスニーカーと、ジャケット、2万円を持ってきた。


「お前、それ限定モデルだからな、それやるから、あの美人を俺に紹介しろ。」


「あのな、あいつ悪魔だし、別に連絡先とか俺知らねぇぞ。」


「悪魔の美人とか最高じゃないか。頼む。」


芸術家志望の学生は好奇心に人生全振りしてるから、面白そうな頃があればそれに突っ込む。それが美大生の生きざま。


そう言う意味では、確かに、今のこの状況、芸術家志望としては、これ以上ない特別な経験になるだろう。


が、それも死んじゃあ意味が無い。死にたくはない。


もらった靴を履いて、礼を言う。


「ありがとね。」


そう言ってアスタロトは北中島三太の頬にキスをする。


「お前は最高の友人だ!!」


北中島三太は俺に親指を立てたグッジョブポーズで俺を送り出す。


俺は割とシニカルな、皮肉屋な所があるから、お前のそういう欲望に全力投球な性格はうらやましくもある。バカだけど。


すこしぶかぶかの靴を、紐をきつく縛って、なんとかごまかす。


アスタロトは気づいたらまた消えていた。おそらく腕輪に入っているのだろう。


俺は北中島三太のアパートを出て、とりあえず、この街を離れるため、バス停に向かうことにした。



その時、すごい爆発音がした。


振り向くと、北中島三太のアパートが爆発し、炎上していた。あいつがやってきたのだ。


俺が助けに行ったとてどうにもならない。俺はあいつが死んでないことを祈り、その場所を後にした。



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