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だるっぱの呟き  作者: だるっぱ
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写真集

 一か月後のことなんですが、文化祭的に作品を展示できる機会が出来ました。僕なら何を出品できるのかな~と考えてみました。直ぐに思い浮かんだのは過去に製本化した小説になります。度々紹介していますが僕の作品「逃げるしかないだろう」です。


 この作品は3ヶ月で書き上げた作品を、ほぼ1年かけて推敲し書き直したことで、総文字数が30万字になりました。製本化の際に、一冊では収まらなくなったので上下2巻に分けます。製作は業者に頼むのではなく、アマゾンのKindleペーパーバックサービスを使って自分で行いました。これが実に楽しかった。


 僕は「なぜ、そうなっているのか?」という構造を理解し感じたいという好奇心が強い。過去に、100kmマラソンに挑戦したのも、お酒を造ってみたのも、山に登ってみたのも、全てが好奇心を満たすためです。想像を超えた先にある手触りを感じたい。「あー、そうなんだ」を腑に落ちたいのです。本の製作は、僕の好奇心を満たすのに最良の玩具でした。


 Webに小説を投稿するだけなら、本体の文章があれば、アップロードするだけで完了します。しかし、製本化はそうはいきません。まず、書籍のサイズから決めないといけません。文庫本サイズなのか、A6サイズなのか、更に文字の大きさはどれを選ぶのかによって、ページ数が変ります。設定によっては、軽く50ページくらいは変化します。この変化によって、背表紙の幅が変化しました。


 製本化する場合は、表紙、背表紙、裏表紙を用意する必要があります。この背表紙の幅が決まらなければ、表紙の全サイズが決まらない。この過程を「あーでもない、こーでもない」と考えている時が実は楽しい。表紙のデザインも自前で用意します。タイトルに合わせた内容が欲しかったので、次男にモデルとして活躍してもらいました。全てのデータが揃ったら、本文も目次も表紙も全てPDFで出力して、Kindleペーパーバックにアップロードします。後は、アマゾンに注文すると、1冊から製本化することが出来るのです。


 そうした僕の思い出の小説を出品しようと考えました。本文は読んでくれなくても構いません。表紙は手作り感が強いのですが、それなりに目を惹く仕上がりになっています。それと、もう一つ、出品しようと考えています。それは写真集。


 僕の趣味の一つに、スーパーカブに乗っての旅があります。大阪を起点として、テントと寝袋を載せて様々なところに出かけました。ほとんどが野宿です。出かける度に走行距離が伸びていて、前回の四国一周旅行では、一回の旅で1,000kmを越えました。


 このようなスーパーカブの旅での楽しみの一つに、写真撮影があります。素直に、「綺麗だな~」と感じたら、スマホを取り出して写真を撮ります。一回の旅で、100枚以上は写真を撮るのですが、そのうち10枚ほど厳選してインスタグラムにアップしています。いま見返してみると、そうした写真が500枚もありました。


 調べてみると、そうしたインスタにアップした写真を製本化してくれるサービスがあるのです。これはいい。これまでの集大成として、スーパーカブでの旅を一冊の写真集にしようと思いました。商売にする気もありませんし、全くの僕の自己満足の世界です。でも、それでいい。


 ただ、作るとなったら本気です。写真集のタイトルは「スーパーカブの一人旅」。ベタですが、タイトルはシンプルで良い。500枚から更に厳選して、100枚くらいにします。それぞれの写真には少しだけコメントを添えて、僕の旅を追体験できるような構成にしたい。写真集はペラペラっと捲れるので、出展作品としては鑑賞しやすいと思います。


 ただ、ここまで僕の思いを書き連ねてきて感じたことがあります。今回の「スーパーカブの一人旅」の写真集は、僕にとって大きな節目になるな……と。これまでの僕の旅は、聖徳太子の物語を書くための旅でした。目的地は、古代の史跡ばかり。古代を感じたい、古代を知りたい、そうした僕の好奇心がモチベーションとなって、スーパーカブを走らせていました。


 でも、今の僕は、聖徳太子の物語を書き始めています。僕の旅は、外の世界に飛び出すことから、内なる世界へとベクトルが変りました。そのことによって、実は、山登りもスーパーカブの旅も、興味を失ったとは言いませんが、モチベーションが明らかに下がったことを感じているのです。だから、今回の写真集の作成は、そうした僕の心の節目になるような気がします。

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