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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
デア・エクス・マギア
88/109

004-20

「額当てを縛る布地の色が(ふす)べ銀だから、アージェン侯の臣下だわ~」


「アージェン、侯? なんか違和感あるよな‥‥まぁ、藩主や大名だったとしても

そうだけどさ」


「そこは異世界だし~、日本ぽくても似つかないもん全然」


「‥‥鬼族ってのは、天子の下に諸侯が何人かいて、それらが各各の国を治めてる

体制なのか?」


「そう言うこと。諸侯は六人で、六つの領国にはそれぞれ色とか紋章とか、チョッ

トだけどスタイルの明確な違いとか、一目で区別できるシンボルがあるの」


「ふ~ん‥‥確かにな。今の距離なら、鎧ってるのが日本の様式とはどこか違うっ

てことがわかるし。古い西洋のとも中国のとも、明らかに違うカンジだ‥‥」


「チョットォ、ワタシの話、しっかり聞いてくれているわけ~?」


「あぁ、だよな。そもそも世界が異なるんだから、当然だった‥‥」


 老鬼女隊長が着具(きそな)う大鎧モドキに、視線を繁繁(しげしげ)と注いでしまっている魁は、それ

が弓を射易くつくられた鎧であることを、完全に失念させられていた。


 三メートル近くあるオーガの上から放たれる矢は、地面に腹這(はらば)おうが避けきれな

い。

 にもかかわらず魁は、あのレヴェルの威し立ちに求められる手細工ならば、自分

の未熟な腕でも熟せそうな自信が湧きあがってきて、甚だもって場違いな、精神的

余裕までもを転がり込ませていた。


 さらに魁の視点は、老鬼女隊長が手綱(たづな)同然に握る、オーガの顎へ嵌め留めた張綱はりづな

へと移る。


 ウマあつかいをされているものの、急所も急死所で、死角でもある後ろ首から後

頭部を、大鎧に身を包んだ乗り手が防御する格好になり、言わば御主人様と愛オー

ガの関係性。

 そこへ思い及べば、オーガの行き届いた胴丸モドキからも、存外あのオーガは、

老鬼女隊長から鍾愛されているのかもしれないとの推察ができて、話の通じる隊長

であることにも、魁は期待を厚くし始めていた。


 が――。


「何だおめぇら、妖変事に乗じて渡って来んなっ。さっさと自分たちの土地へ引き

返さなけりゃ、殺してサカナのエサにすんぞ!」


 そう最も接近しているホブゴブリンから、怒鳴り声とともに槍を突きつけられて

しまっては、彼らの境涯まで思い巡らせてなどいられない。

 魁は一歩ばかりたじろいで、五匹がどう攻めに出て来ようが、反応しきれるだけ

の間合いをとった。


 けれどもすかさず、その魁の一歩の間に、dooが身を滑り込ませての言葉返し

に出る──。


「あなたの目は節穴ねっ、ワタシたちの後ろの景色が見えないわけぇ? ワタシた

ちが元どおりにしてあげたのに、なんて言いぐさなのかしら」

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