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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
デア・エクス・マギア
82/111

004-14

「そっか‥‥なら、まだ希望はもてそうだよな‥‥」


「だから、繊巧な器用さや実用的知識に精通していると、重宝がられちゃうわけ。

魁もワタシも、差し当たっては乱暴なあつかいをされないってことよ」


「なるほどな‥‥でも重宝がられすぎて、奴隷あつかいまではされないにしても、

ブラック企業張りにコキ使われそうだけど」


「フゥ。じゃぁさっきの疑問に答えておくけど、鬼の目にも涙とか、鬼の霍乱(かくらん)って

言うでしょ。鬼人にもいろいろいて、人情味があったり、人と同じくらい繊弱(ひわ)やか

だったりもするんじゃないかしらぁ?」


「繊弱やかな、鬼なぁ‥‥」


「鬼が住んでいたって、(じゃ)まで出るかはわからないのに~。臆想で臆してそんな臆

面を晒していると、鬼が笑いコケちゃうの」


「はいはい、言ってろ~‥‥じゃぁまずオレが跳ぶんで、よく見て加速のつけ方と

か踏みきり位置とか、dooは自分のために、より確実に調整してくれ」


「ハイハ~イ。ワタシのこの目を、口ほどにモノ言わせちゃうからぁ」


 dooはよく見て取ることを、両目に当てた両手を閉じ開きするジェスチャーで

も伝えてくるが、魁は無論スルー。


「変に高く跳びすぎても、届きさえすればオレが引っ張り込んであげるから、ナメ

ずに全力で跳ぶようになっ」


「ワタシもまずはちゃんと跳んで見せて、やさしい魁がそんな風に、親切を装った

ナメ方をしないようにしなくちゃね~」


 今回は一つきりの図星を丸丸指し砕いてくれたdooに、魁は顔ごと視線を前方

へ戻し、両手を軽く上げ開いてのシュラッギングで応えるしかない。


 走り幅跳びの要領で渡ろうというその着地点、オオカミ巨岩の鼻先は、今の位置

からでは、こちら側とさほど離れていないように見受けられる。

 けれども、間近まで行けば、実際には跳び移れるかどうかビミョ~な距離が開い

ているというのが、魁のこれまでの経験則。


 ──オオカミ巨岩に近づくにつれ、今回も案の定そんな予覚がしてくる魁は、自

分こそ全力で、確実に跳びおおせるためのイメージトレーニングをと、とり急ぎな

がら大マジメに開始する。


 失敗って落ちた場合、ざっと二〇メートルはありそうな下で待ち受けるのは、ヤ

ケに苛高(いらだか)さが目立つ波状岩(はじょうがん)が凝り敷く波食棚(はしょくだな)

 まさしく、鬼の洗濯板への、死のダイヴになることは必至。


 dooがまた駄弁に託けて、イズドーズ大陸に関する予備知識を語りなし始めて

いたが、鬼と出っ(くわ)せたかのごとき鹿爪顔(しかつめがお)を貼りつけた魁の耳には、一節さえも届

きはしない。

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