004-07
「‥‥知らないぃっ‥‥」
「dooって、何て言うか、実質をともなってる上から目線だったろが。オチャラ
ケも悪戯れも方便なのが見え透いてて、それこそ段取りを着実に熟す、スジの通っ
たオトナくれ女子ってカンジでさ」
「とにかくワタシは女子なんだもんっ。典型を完璧に目指してガンバってきたのに
ぃ、ワタシの見え透いたオトナなカンジに、ブ~タレていたのは魁の方だったでし
ょっ」
「‥‥ま、そうなんだけどろうけどさぁ‥‥」
「昔のことは言われたくないけど、ワタシには、昔どおりに戻れなんてムチャクチ
ャ言うの魁は? 年相応に成長したのは魁だけじゃないもん、ワタシだってそうな
んだからぁ」
「いや、成長って言うなら方向がだな‥‥」
「‥‥何よ、方向ってぇ‥‥」
この気色の女子へこれ以上ツッコんでしまえば、グシグシと恨み泣きを始めるの
もまた典型。
逃げ去るという切り札が出せない今、魁にとれる手段はただ一つ。
「わかったよモォ、ゴメンなさいだ。オレが臆病の自火にボーボ~攻められてただ
け、飛び火させて悪かったって」
「‥‥なんか、あり得ないんだけど~。一体どんな底企みをしているわけ?」
瞬発的に立ってきてしまうムカッ腹を、魁はムリクリ押さえ込み、むくれ顔を上
げたdooへと、これまたムリクリに愛想笑い。
「してないっての、ったく。マジガチにdooの指示に従うからさ、機嫌なおして
段取りの続きに戻ってくれよ。dooが愉しめると踏んで、趣向を凝らしてくれた
んだろ?」
「‥‥別にぃ、趣向なんて凝らしていないもん、サッと最適に段取っただけだし」
「ならいいじゃんか。ジャカスカとはいかないにしたって、一応、盛りあがるよう
にもシラけずにやるからさ」
ゲンキンにもdooはベソつき顔から一転、奮然と掻い立った──。
こぼれんばかりだった涙目などどこへやらで、残る瞳のうるうるも溢れる生気の
輝きと、見紛うほどの立ちなおりぶり。
「ならいいけどっ」
「ホ~ント、オレ相手に、そうも機嫌を損ねるなよなぁ」
「て言うか一応って何よ~、ホントに反省しているのなら、ジャカスカくらいして
くれるのが礼儀じゃないかしらぁ?」
このdooのすねくろしさも典型的。
魁は白白しさにシラけてしまわないよう堪えつつ、合わせた手の高速スリスリに
よる拝み倒しで、ダメ押しに出てもおく。
「あれやこれやの、ほとんどが気伏できていない今のところは、ムズいことは勘弁
してもらえないかなぁ。礼儀として、とにかくdooの段取りどおりマジガチでや
るからさ」




