004-06
「‥‥そりゃ焦りまくるってのっ、異世界なんだし。だのに、オレだけオレのまん
まで、いきなり鬼のトコへ働きに行くとかさぁ‥‥」
「だって、それこそ異世界なんだもん」
「そうだよ、異域の鬼になりたくないだけさ、フツウの反応だぞ人として。しかも
フツウの人間、人素族だっけか? そんなの獣人も含めての人族となりゃ、人族の
中ですら最弱だろおそらく?」
魁から顔を向き合わせてきたため、今度はdooが顔を逸らして口をすぼめた。
「ま、ワタシもスグに信頼を取り戻せると思って、魁の焦りにしゃくりかけちゃっ
ていたのかも~。けどね魁、ここで一気にバランスをとろうって段取りなの」
「ここで一気にだぁ? よくも反省してるような口ぶりできるよなっ」
「満を持して魁の出番だっていうのにぃ、どうしたらシラけずに、ジャカスカ盛り
あがってくれるのかしら~? 景気づけに大爆裂でも一発、町の上空にカマしちゃ
うぅ?」
「やめろってのっ。だからその段取りが何なのかを話してくれよ。サプライズ好き
も悪化してるようだけど、今でも愉しいのはdooだけで、オレは単に尻毛を抜か
れてるにすぎないんだぞ」
「まぁイヤだ、尻毛だなんて~‥‥」
「オレの思慮分別が育った分、dooの段取りにふり廻されて焦りまくってるんだ
ろが、さっきから」
「エェ~ッ‥‥なんか今、頭の中がグワ~ンって鳴り響きだしちゃっているんだけ
ど。体もズンッて、どうにも立っていられないぃ――」
「フザケすぎだろオイ~。何、センシティヴ女子のフリまでやらかそうとしてんだ
よっ」
とは言いつつも、魁はヨロめくdooを支え留めるために腕を伸ばす──が、コ
ケる前にdooがしゃがみ込んだため、魁が思いきりヨロめいてしまう始末。
「魁も愉しんでくれていると、疑いもしないでガンバっていたし、さっきからだっ
て、弥が上にもガンバっていたのにぃ‥‥」
すね言でははなく、泣き言を並べだしたdooに意表を突かれながらも、魁はd
ooを昔のまま過大評価しすぎていたのではないか? という別の焦りに煽られな
がら、何事もなかっように体勢を立てなおした。
その一方、それにより得られた精神的余裕から、今のdooはふり廻されている
と二人して空まわりつつ、堂堂巡りにハマって完全に機をのがしまくり、這い上が
るだけでも困難なところまで転落しそうな、確信的予感までが襲ってくる。
「まいるよなぁ。その、完全に典型的レリゴー女子反応。聞き入れて欲しかったの
は、段取りの具体的内容を話してくれって方なのにさ‥‥」




