003-21
「だーかーら~、言ったでしょ、何でもわかると思わないでって。それとこれとも
全然別ぅ」
「‥‥この、噛み合わせないってパターンも、口車の一つなもんだからな‥‥」
「できたとしても、魔述で魁を全部好きなように書き換えたりするわけないわっ、
そんな操り人形はもう、完全に魁じゃないし、折角一緒にいるのに、愉しくないも
ん全然」
「ったく。マジガチに怖いよなぁ、レリゴーな女子の価値基準って。愉しさのため
に、こんな被害を出されちゃ、堪ったもんじゃないっての」
「そおよ~、魁もマジガチでワタシをナメないでよね。それも言ってあるはずぅ」
「確かにな‥‥TWPだっけ? 間違いなくオレより遥かに高すぎて、命じられて
も、クツの先すら舐めるのは憚られちまうって」
「まったく、そんなゲスい戯れ言まで吐くようになっちゃってぇ」
「ゲスすぎるヤカラばっか、相手にしてたもんだからなっ」
「二度とダメなの、もうワタシが許さないんだからっ。それにクツじゃなく、今履
いているのはアーマードブーツだし。どうせなら、脱いでよく洗うから、じか舐め
してちょうだいな~」
「どっちがゲスいんだかっ? とにかく、もう一切ナメないって話だろが」
「わかっているのならヨロシ~、お話の続きは町を出てからねっ。サァ近道を急ぐ
わよ、遅れずについて来てね、あと八〇〇メートル弱だから」
「了解了解、それくらい楽勝だし‥‥さほどデカい町じゃなかったんだな?」
「そ。地形的なこともあってね」
「フーン‥‥まぁオレももう、何も知ろうとせず、わからない内にゴネるのはやめ
るから」
「そう? いくらゴネてもかまわないんだけど~。私が魁にとって最善しか提案し
なことを、早く思い出してくれたら、心置きなく段取れるのよねぇ」
「‥‥何だそりゃ? 知らねっての」
「だって、先にあれこれ説明しちゃったら、愉しさが大幅ダウンしちゃうもん」
「ったく。そんなナメてる余裕があるんなら、もっとペースを上げろよなっ」
「アレレ~、いいのかしらそれ、マジガチに受け取っちゃってもぉ?」
「オレを待ち伏せするウザキモ連中をブッチぎるために、中距離走は自然に鍛えら
れてたからな。心置きなく駆けぬけちゃってくれっ」
「了解なの。ナメるつもりは更更ないんだけど、魁とオン・イコール・タームズで
全力が出せちゃうって、ホント愉し~。どうにも余計に調子にノっちゃってぇ」
dooが一段と足を速め、それが高をくくっていた予想ペースを上まわりそうな
ことから、魁は呼吸を乱さないよう、黙止で追い縋りにかかる。




