003-17
「‥‥って、何をだよ?」
「自分の足で歩きながら、見て聞いて肌でカンジて行くのが、一番だからと段取っ
ていたけど、知ったこっちゃないもんこの際っ」
「だから何が?」
「町すら出られないビビりには、モォ、この町に戻れないビリビリのバキバキを見
せつけてやるわっ」
「オ、オゥ、見せつけてもらおうじゃないかよ。ビリビリのバキバキ程度じゃ、ビ
ビるとも思えないし」
「言っちゃったわねっ。武士の末孫にだって、二言はないんだからぁ」
「屁理屈もそうまでこじつけるってか? おこがましすぎて武士の末流すら穢せな
いオレに言わせりゃ、チャンチャラチャクラの片腹痛し、無言も過言も鈍武士、っ
てな。第一、何か言っとかないと黙認なんだろが」
魁は苦笑が浮かんできてしまいながらも、胸を張り気味でド屁理屈返し。
「カワユくな~い。なんか、見上げちゃう小t憎たらしさなんだけどぉ」
「ま、いいんじゃね? dooがこの場の勢いだけで何をやらかそうが、弁償を請
求されて町を出られず、ここに慣れきるまでの期間を、ここで働かざるを得なくな
りそうだしな」
「そっ? ならいいのねっ」
「どーぞど~ぞ。願ったり、叶ったりの、タリラリランだって」
「じゃぁお言葉に甘えて、配慮も遠慮も思慮も憂慮もなく~」
そう言いながらdooが両手を上げ広げると、辺りにビリビリと稲妻が走り、電
光が走りぬけた所から、建物がバキバキと崩壊し始めた──。
ビリビリは速すぎて、魁の目にはスグに捉えきれなくなったものの、バキバキは
まるでスローモーション。
崩れゆく建物の中にいた者たちの、何が起きたのかもわからず、パニクりまくり
ながら落ち行く刹那に、死覚悟をしたかのように、身を丸くして埋もれる様子まで
もが、まざまざと見て取れた魁は、逆に自分の目を疑わずにはいられないあり様。
信じられない、と言うより信じたくない。
息を呑む間もなく起こりだし、収まる気配も皆無なこの凄まじい惨状。
それが、浅慮も甚だしい自分の軽口が引き鉄である事実を、認める度胸などある
はずもなかった。
放らかされぱなしで、朽ちゆくのみとわかりきった空き家だったからこそ、破壊
行為で、ヤカラどもへの暴力の代替にしていた魁には──。
「‥‥嘘だろ‥‥何やってんだdooッ、やめろって!」
頭を抱えて屈み込む魁の旋毛を見やるdooは、実に御満悦なニンマリ笑顔。
「ンフフッ。ハ~イやめたけど、お次はどうするの? わからず屋の魁をわからせ
るために、ワタシがやったって、トンチキに自首してみちゃうぅ?」




