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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
ヴィヴィディ・ボディー・doo
59/64

003-13

「確か十数名しかいなったはずだし、蜷戈なんて刀銘も見たことすらないな‥‥そ

れも、またオレが忘れちまってるだけかもだけどさ」


「ンフ~。じゃぁ魁は、一般的な歴史の書物で、蜷備えの鎧兜が載っているのを見

たことあるわけ?」


「‥‥えっと、どうだろ? それは、どっちか言うことすらできないなぁ」


「赤備えは武田や真田、黒備えは伊達で有名なのに。第一、廃藩置県(はいはんちけん)まで続きおお

せた蜷源家自体が、表舞台にはまず出てこないでしょ。それってなぜだと思ってい

るのかしらぁ?」


 人差し指まで差し立ててくるdooに、正面を向くことで顔を逸らす魁だった。


「知るもんかよそんなこと。オレは世界史の方が遠遠(とおどお)しくて好きだし‥‥北条の五

色備えの中には、青があったはずだけどな」


「そう言うことじゃないわ。蜷源の繁栄は裏面史(りめんし)、人ならざるモノのチカラを劫掠

した強さによって、築きあげられたわけだから」


「‥‥って。まぁ、いかにもではあるけどさ‥‥」


「蜷色は、鬼を始めとする異形異類(いぎょういるい)の血の色なの。そして当然だけど、青黒いアイ

テムは、人為を超えた怪力乱神(かいりきらんしん)を巻き起こしちゃうぅ」


「それが日本のファンタジー、伝奇やお伽話ってヤツだろが」


「なんかノりが悪いぃ。嫌いじゃないでしょ、歴史ファンタジーな大河物語は遠遠

しくて~」


「って言うか、鈍く輝く青黒い蜷源の刀身は、銅とか不純物が残る鋼しかつくり出

せなかった時代の物で、硬さは充分でも、靭性(じんせい)が低くて折れ易い。ファンタジーも

何もないっての」


「だからぁ?」


(しのぎ)を削り合ったり、鐔迫つばぜり合いを頻繁にすると、折れちまうから、心理的な小細

工で鐔の形を蜷源の家紋にして、刀身同士を重ね難くしたんだとも聞いたぞ」


「フゥ~ン、お祖父さんから、そう言うことも学んでいたわけね。なら蜷源が武昌

以降、どこからも攻められたことがないほど、強かった事実も聞いているはずぅ」


「だから、蜷源の強さは、体術をとり入れた高度な剣術にあるんだって。刀はあく

まで、敵を闘えなくしたりトドメを刺すための物であって、力任せに振り回すわ打

っつけるわの勢いで、敵を圧倒しようとする使い方はしないんだ」


「フ~ン。でも蜷源の家伝書の一つ『蜷封境怪事(けんほうきょうけじ)』にはね、鬼を始めとしたバケモ

ノ、鬼魅(きみ)たちがあれこれ登場して、血や体の一部、爪とか牙とか(うろこ)とかを、武具づ

くりに使うために、抑奪(よくだつ)したことが(つづ)られているの~」


「それこそ、蜷源に手を出させないために広めた、浮説(ふせつ)の元ネタかもだろが」

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