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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
ヴィヴィディ・ボディー・doo
58/61

003-12

「フッフ~ン。とにかくその(いき)大刀で、一先ずは安心しちゃってよぉ」


「‥‥言われてできたら、気休めなんか要らないってのっ」


 魁は自分の言葉で思い出し、手にしている明王斬りへ目を落とす。


「フツウの刀じゃないから変わっているんだし、まさに蜷源家が秘蔵してきた伝家

の宝刀なんだからぁ」


「‥‥宝刀も秘蔵の? これがねぇ‥‥」


「魁のために借り受けるまで、手間ヒマもかかっていることを忘れないでよねっ」


 恩着せがましくも、恬淡(てんたん)と言い添えて笑み(かたま)くdooに、魁はモヤつかずにはい

られない。


「どう言うことだよ。生大刀って、生命力がある刀って意味だったはずだろ?」


「ムフ。やっぱり刀のことも詳しかったのね~」


「‥‥じゃぁこれって、妖刀や怪刀の類なのか? それで全てが蜷源のシンボルカ

ラー、蜷色をしてるってわけ?」


「まぁ、そう言うことなの」


「別に詳しかない。平治の乱で都から下らざるを得なくなった、清和源氏の一支流

だった蜷源の始祖一族が、鬼を討伐(とうばつ)して、牛耳(ぎゅうじ)ってた土地を、そのまま所領にした

際の伝奇ホラーを、ガッコの怪談みたいに、誰からともなく聞いたくらいだ」


「それって、どんなホラーなの?」


「‥‥蜷源の始祖一族ってのは、鬼を鬼ともしない冷徹(れいてつ)厳烈(げんれつ)な強さときてて、逃

げ惑い息絶えた鬼どもの血が、一帯を青黒く染め尽くしたってオチだからな」


「青黒く、ね‥‥」


「あぁ。全国に蜷川は数あれど、自然の豊かさじゃなく、鬼の怨念で青黒いのは、

蜷源の領地を流れる蜷川のみだとさ」


「そのローカルナレッジがあるなら、さらなる説明もし甲斐ありそ~」


「何だよそれ? ‥‥聞いてもいいけどさ」


「まず由来と言うか家譜と言うか~、鬼の血が蜷色に染めて、妖魔怪獣も寄せつけ

ない土地を治める源氏支族、それで蜷源を名乗るようになったわけ」


「‥‥フーン、まぁそれはな」


「つまりその色は、鬼をも滅ぼす武力の象徴なの」


「‥‥青黒い源氏パワーってか‥‥」


「蜷源の兵衆のために、青黒い蜷備(になぞな)えをつくった魁の家と同じで、その刀銘に入る

蜷戈も、蜷色の打ち物を拵える刀工の家柄と言うことね」


「へ~、そいつは祖父ちゃんから聞いてなかったな‥‥」


 魁は明王斬りへ、あらためて目をやった。


「魁に持たせるなら、やっぱり蜷戈でも、最上大業物を超えちゃうそれしかないで

しょ~」


「‥‥よく知らんけど、最上大業物ってのは刀工自体の評価だ。職人技の最高ラン

クで、優れた出来の刀を意味する言葉じゃない。そう認められた刀工が打てば、全

部が最上大業物なんだ」


「ウンウン、それで~?」

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