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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
ヴィヴィディ・ボディー・doo
54/55

003-08

 手前寄りの位置で作業をする人影に、雉毛(きじげ)のネコとボーダーコリー以外には該当

しない顔があり、この世界には獣人もいるという事実に、魁は再び軽く身震(みぶる)いをさ

せられた。


 本音は、まのあたりにしたネコ人間とイヌ人間の実在を、湧き立つままに騒ぎた

てたい魁なのだが、それはさすがに臆病丸出し。

 異世界ならば当然と、ここはグッと堪えてスルーを決め込み、何の動揺もなかっ

たように、dooとの会話を続ける選択もする。


「‥‥dooこそ、利いた風な屁理屈をまたしてまでも~。この先、怪風や魔風が

吹き荒むかもしれないってのに」


「そうだとしても、風は風でしょ」


「ったく。大体、実際に風が吹いて桶屋が儲かる確率を計算すると、ほとんどない

んだぞ。この辺りがどれだけ風が多くて、土が汚くて、眼科の医療が遅れてるのか

しらんけど、どう見ても、三味線がある風情じゃないし」


 魁は、工房の窓を今一度見返す――。


「まぁっ、なんて屁理屈返しなの? と言うより、風と桶屋が儲かっちゃう間にあ

る因果関係の事象とか、どうでもいいことを、どうしてしつこく忘れずにいるのか

が疑問だわ~」


「いいだろどうでも。屁理屈はともかく、話まで逸らすなっての」


「ハイハイ。とりあえず、この町に三味線はないでしょうね~」


「それ以前に、人猫族から皮を()ぐわけにいかないよなぁ‥‥人鼠族もいるわけや

っぱ?」


「ネズミもネズミで、獣人たちの種族にはないみたい~。それに魔術や魔法がある

から、医療だってどうでもいいんじゃないかしら?」


「フーン‥‥dooも、口から生まれたような言葉返しだけは、相も変わらず健在(けんざい)

っぽいよな。まぁ言ってりゃいいさ」


「生まれたのは、超次世代型自己進化アーキテクチャからで、話せる口の獲得は、

随分とあとになるんだけど~」


「はぁ? ったく、わけわかんねっての。はぐらかすにしても早すぎだし、酷すぎ

だろが」


「フ~ン。まぁいいの、その辺を忘れているのなら。とにかく、この世界にはもう

ワタシがこうして傍にいるでしょ。約束どおり、魁のことを全身全力で守るんだか

ら、心配要らないの」


「‥‥それが何より心配なんだよなぁ。ま、この趣きにアサルトライフルなんてム

チャは言わないけどさ、(はがね)の剣くらいは装備しとかないとだろ」


「そんな装備こそ、心配でしかないんだけど~」


「このままじゃ完全にオレたち、町を少し離れた所で、奴隷狩りとかに襲われるだ

けのザコキャラだって」


「そんな奴ら、ワタシにとってもザコでしかないわっ」

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