003-04
「だから、この世界にいない人に、連絡なんてできないわよぉ」
「‥‥だよな。悪い、ついアホこいちまった‥‥」
「ワタシだって、物凄く心配しなくちゃいけない重大事を、ポイして来ちゃったと
思うんだけど、ドーにもできないから、気にするのやめちゃったぁ」
「いいのかそれで? オレと違ってdooは‥‥あれ? 何だったっけそれ?」
「魁が一緒なら、ほかの一切ド~でもいいもん、マジガチにっ」
そう言い放ったdooから魁は、自分より一足先に、この異常事態への自棄を起
こしきっていて、どうにもならないと悟ったがゆえの解放感から、開きなおった歓
喜が滲み出しているのだと確信してくる。
あんけらと開いてしまう口が、塞がらなくなってはヤバいとばかりに、魁は思い
起こせたこともあって、お体裁ながらも咎め立てに出ておく。
「いいわけないだろマジガチで~。そうだぞdoo、おそらく今大変なことになっ
てる」
「大変って? 今このワタシたちよりとは、思えないんだけど~」
「ボッチがボッチに戻されるだけじゃなく、本来なら、ボッチにならないボッチで
の過ごし方を全く知らない連中までが、突如ボッチを味わわされてて、日本中がパ
ニクっちまってるに違いないって」
「‥‥ウ~ン? 何を言っているのか全然わからないんだけどぉ」
「何ほざいてんだよ、大体dooは‥‥あれ? 何だっけ、えっと‥‥」
「知らない~。心配なのはわかるけど、魁が何をわからないかまでわかるわけがな
いでしょ」
「‥‥って、わかってんのに、何かつっかえてるカンジで‥‥」
「昔と変わらない甘えん坊なことを言いだすもんだから、ワタシもついつい昔の気
分になって、昔のことを口走っちゃいそうになるぅ。全部魁が悪いのよっ」
dooの、貫かんほどにピシッと伸ばし反らした人差し指を、振り延っての魁へ
の抗議は、心許なさを隠そうとすることさえ失念したままの魁を、少なからず振粛
させた。
「‥‥あぁ確かにな、甘えちまってた。でもとにかくdooは、こんな異世界染み
たトコで、オレだけに感けてられる立場じゃないはずだっ」
「そうなのぉ? ワタシわかんな~い」
「何だそれ? スグ諦めないで、戻り方をあれこれ索りネバりまくるべきだろが。
それくらい、オレに言われるまでもなくお手のモノだろ」
「と言うか、ここが魁の妄想した退避ワールドなら、ワタシも魁が妄想した存在に
すぎないんじゃないの? 今魁は、戻りたいってマジガチで思っているわけ~?」
「‥‥マジガチとか、言われてもなぁ‥‥」




