003-02
ディテールの端端に和テイストが漂っているのに、マイクロミニのスカートとい
う、さらにまた、これ見よがしなまでに体のラインを晒したコンバットドレス姿だ
った。
胸周りと腰の両サイドに施された、メリハリを強調する機能まで果たす軽装甲パ
ーツからして、初めて目にする素材感。
それ以外の服地は、レザーなのか合成皮革か、はたまた化学繊維なのかも魁には
判別がつかないが、光沢具合からは、なびやかなストレッチ性能を見て取らせる。
「モォ~、そんなわけのわからないことを言っちゃうくらい、ワタシを見まわした
いわけぇ?」
「んなわけあるかっ‥‥」
「ヤダァ魁ったら、こんな所でまったく~、どんなポーズを御所望なのなのぉ?」
自分でシャッターチャンスをつくりながら、次次とポーズをとりだすdooに、
魁の方が、周囲の目を気にして慌てふためく──。
「あのなぁ、その手のからかいは、外じゃキツすぎだからやめろっての。‥‥けど
間違いなくdooだな、なんだよな‥‥」
「どう見たって、ワタシはワタシでしょ‥‥やっぱり、どこかイカレちゃっている
とか? 困るわ~、そんな場合じゃないって言うのにぃ」
「どう言うことだよ? マジガチでイカレそうだっての。大体がどこなんだここ、
何が起こったんだ一体?」
「さ~て何なんでしょ? ワタシが何にでも答えられると思ったら、大間違いなん
だからぁ」
「‥‥って、ウソだろ、dooまでわからないってガチかよっ?」
「でもここは、境界の町ロンイェールビよ。鬼族の勢力圏と、魔王の一人が支配す
る領域に隣接した人族の土地の北限で、ヴァージSEZ(経済特区)に認定されて
いる一つなんですって~」
dooはさらりと言ってくれるが、魁には馬の耳に風と、耳から入れど理解でき
ずに、幾つか引っかかったワード以外は、全てが頭からダダ洩れていく。
「‥‥そんな答えじゃ何一つわからないっての。って言うか、鬼族だの魔王だの何
だそりゃ? もしかして、オレをスグ元の場所へ戻せないとか‥‥」
「元の場所ってどこのこと~? と言うか、ホントに戻りたいのぉ?」
「‥‥あれ? ガッコか? いや祖父ちゃんチのオレの部屋かな‥‥ホントにとか
言われるとヤバいって、悩めてきちまうな正直‥‥」
「悩みださないでよぉ。とにかく、スグも何も戻せるわけがないじゃなぁい。ワタ
シが何でもできるなんてことも、思わないでちょうだいよね」
怪訝そうに薄笑みを浮かべるdooが、まるで頼りにならないと直感した魁は、
とにかく、押さえていた目を開く前のことを思い出そうと試みる‥‥。




