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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
あ・ほーる・にゅー・わ~るど♪
29/55

002-10

 さらに魁の脳裏(のうり)は、否応(いやおう)なく、呪わしき思いをよぎらせていく。

 

 ‥‥何でオレは、ああしたたのしげな輪に入れないのか?


 ‥‥いや、輪に入ることはできても、オレが入るとあんな愉しげにはならない。


 ‥‥違うな。入ったその時点では愉しく過ごせても、次の機会にはもう、どこか

が違っちまう。


 ‥‥なんだかシラけた(へだ)てがましい空気感になる理由は、輪を構成していたメン

バーに、不自然すぎる入れ代わりや、加入が起こるせいなんだ。


 ‥‥それで輪自体が歪んで、(まる)みが(そこ)なわれるか、つながりが断絶して輪でなく

なっちまう。そこに愉しさなんか、生まれる道理(どうり)がないってのっ。


 ‥‥断じて、オレに非なんかあるもんか!

 ‥‥どう考えたって悪いのは、ヤカラ化する気配プンプンの、まともな女子たち

を追い払ってまで、入れ代わった女子どもだよなっ。

 ‥‥それと、まともな女子とオレの間に立ちはだかろうと加わった男子どもで、

それにシラけて、ほかのメンバーたちも隔てがましさを(かも)し出すんだよなぁ。


 ‥‥だけど、そうなる理由には得心(とくしん)がいかないながら、オレが原因とカンジられ

れば、そこから離れるべきはオレになる‥‥。

 歪み(きし)みがありありと見て取れるそこに、居続けられるわけがない‥‥。


 結局、人の輪には入れないし、入れたというのも、単なるのオレの思い違いでし

かなくて、一度たりともは入れちゃいなかったに違いないんだよなぁ‥‥。


 晴れあがった空の青さに、灰色が(にじ)みだして見えてくる。


 意識にも排気ガス臭さが立ち込めてきて、魁の殺伐(さつばつ)としたイメージの象徴である

超高層ビルが、何棟も、脳を内側から突き破ろうと意識の奥から顔を出してくる。

 舌には、赤錆が振り掛けられた、給食の揚げパンの甘苦さまでが広がりだす。


 いつまで()っても慣れてしまうことなどできない、なんとも言えない胸クソ悪さ

が、いつものように魁を(さいな)んでいく──。


 結局のところ、人の輪なんかに入っちゃダメなんだってオレは‥‥。


 祖母ちゃんと祖父ちゃんに心配をかけたら、鬼モンスター化して、誰彼かまわず

理非曲直を(ただ)し尽くしちまう。

 何よりは、オレのためにそうなることががたいぃ‥‥。


 と、これまで何度思い返したかしれない怨望(えんぼう)を、あまりの不快感からきりあげた

魁は、ガマンの限界ながらコーラのカップを一掴みして、ガマン、さらにガマンを

続ける。


 まだ、目指す冷たさに足りていない、わかりきっていたリアルな幻滅(げんめつ)に、ヴァー

チャルな不快感を弾き散らされたそのあとは、独りヘコむ以外、魁にはできること

がなくなってしまう。


 深い溜め息まじりに低く(うな)りつつ、魁はカウンターへと突っ伏した。

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