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vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
あ・ほーる・にゅー・わ~るど♪
27/170

002-08

 氷でキンキンに冷えた強炭酸コーラの飲み(くだ)しで、早急に解消するために、魁は

ここで最も早く営業を開始する三階のはずれ、県の合同庁舎と総合図書館が入る中

央棟への連絡橋の役目も果たしている、通称空中カフェ(・・・・・)を目指すことにする。


 唖然(あぜん)から憮然(ぶぜん)となってモヤくり(まど)いつつ、自分の後ろ姿を見据(みす)えているであろう

蜷源るりに、再びつけ入る(すき)など与えるわけにはいかない。

 歩調は変えずに歩幅を大きくして、西棟一階の中ほどからすみやかに、そして岐嶷いこよか

に、立ち去って行く魁だった。


 ▼


 ──天井の高さはほかの廊下と変わらないものの、幅広な連絡橋の南側は一面ガ

ラス張りで延びていて、外を望むようにスツールに腰かけるカウンター席、そこか

ら手前に間隔をゆったりとられた丸テーブル席が並び、パーティションもなく北側

を通路とするようになっている。

 そうした空間デザインが施された空中カフェには、ぽつりぽつりと総合科の生徒

や就業前の県職員などが一人ずつテーブルを占め、主に毎日二〇食限定のモーニン

グセットで、朝食タイムを物麗(ものうら)らかに満喫(まんきつ)している光景が広がっていた。


 そんな中へと、魁が何の気兼(きが)ねもなく踏み込んで行けるのは、どの席からも、雑

談に花を咲かせたそそめき声が聞こえてくるだけでなく、その誰もがスマホ画面か

ら目を上げることさえしないがゆえ‥‥。


 家を飛び出し、母親と激烈なすったもんだの末に、父方の祖父母の保護下で暮ら

せるようになったあとも、スマホを拒絶し、PCさえネット接続しない魁にとって

は、奇っ怪至極としか思えない認知的不協和を覚えさせる状況──。

 しかしながら、無意味な緊張感を煽られずに済み、実にありがたくもある。


 それは、人間と何ら遜色のない、流暢な会話能力を獲得した共感モデル型AGI

によるPAが、スマホアプリとして登場以来、日本から実質的にボッチが消滅して

(はや)五年が経過した現在では、街中(まちなか)での亮然たる独り言や独り笑いまでもが、茶飯事(さはんじ)

となってしまっている至って日常的なあり様と言えた。


 スマホ利用者のほとんどが、PAを入口にして、AGIに親近感をもっている実

情がある。

 もはや、AGIはPAと同義である、との認識が深まっている風潮ばかりか、P

Aの典型的利用法となるヒマ潰しの相手から始めて、リアルの親友を超える存在、

心の奥に秘め隠していた心情を吐露(とろ)してまで、頼みにせずにはいられない腹心、コ

ンフィダントの関係となっているケースも、決して少なくはない。


 さらには、PAは常に的確で最善のアドヴァイスをくれるため、何事もとり敢え

ずPAを頼ってからでなければ、言動したくないユーザーも増加の一途。

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