表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
vividy b(o/ud)dy doo  作者: ┃<∪┃∩>┃
あ・ほーる・にゅー・わ~るど♪
26/57

002-07

 蜷源るりへも、集音マイクまでは設置されていないのをいいことに、魁はやや声

高に応じる。


「何がいきなりだ! オレは、自分本位が酷すぎて壊れてる奴なんかと関わる気は

一切ない。しつこいと警備室へ駆け込んで、ケーサツ沙汰にしてやるぞっ」


「‥‥チョットォ、ヒドくない!?」


「ここは、あんたが通ってるような安閑(あんかん)放恣(ほうし)こわれ合ってられるガッコじゃない

んだ。その辺にまず気づけない、自分の無様(ぶざま)さを思い知れってんだ、このブリック

・ア・ブラックがっ」


「何だってのよそれぇ?」


「つまりは話してもムダ。そんなあんたらの自覚も悪気もないときてる邪毒(じゃどく)に、チ

クリチクリ壊されまくった、完全なガラクタだからなオレもっ」


「てか、意味わかんないんだけど全然っ」


「はんっ。会話が一応成立してるからって、意思の疎通(そつう)までできてると、思いあが

ってんじゃねぇっての!」


「‥‥‥‥」


 意外ながら、早くも言葉を失ってくれた上に、教室を出た所から追い(すが)っても来

ない蜷源るりに、魁は一撃離脱の戦略的撤退が成功と推断(すいだん)

 デフコンレヴェルを一段下げるとともに、思わずボソと独り言つ。


「‥‥ったく、あんなのが、県内一の名家に生まれて育ったトップ校の最上級生か

よ。もうこの国自体が、立てなおしようもなく堕壊(だかい)しちまってるよなっ」


 現下(げんか)、魁の脳内で湧き上がる黝糾女学寮高生のイメージは、どれも蜷源るりの見

るからに健康優良・心身頑丈な骨太中背フォルムをした女子制服姿の、高性能な一

方で、致命的(ちめいてき)ポンコツをかかえる戦闘ロボットどもだった。


 お行儀よく、じっと整列でもしてくれていればいいのに、獅子搏兎(ししはくと)の冷厳さでも

って、一糸乱れぬ連携口撃を繰り散らかしてくれる、最凶のスウォーム的存在。


 また将来、その全機がバリバリとあちこちの要職に就くわ、各分野で権力を握る

者の嫁となって次世代機を産み出すわ、それらをまた(つちか)った自分本位な必勝法で育

てあげては、華華(はなばば)しくローンチ・アウトしてくれるわで、連綿(れんめん)と続くであろうポン

コツスパイラルまで思い渡した魁は、やるせなさだけでなく吐き気も(もよお)してきてし

まう。


 ──目の前に、東京の自宅マンションから見えていた灰色がかった空が広がり、

排気ガス臭い超高層ビルが、意識をメキメキッと突き破っていく感覚にも(おちい)ってく

る。


 ‥‥きなこ砂糖に赤(さび)が混ぜ込まれた、給食の揚げパンの味までしてきて、舌が

(しび)れをうったえだす‥‥。


 自分を壊す人間の言動が生じさせる感覚的条件反射とも言えそうな、このサイテ

ーな胸クソ悪さ。

 缶入り無糖や紙コップに注がれるインスタントのコーヒーなんかでは、まるで晴

れる気がしない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ