005-15
「‥‥だから、それどころじゃないっての今はっ」
「海面を固定する魔述は解除したし、今、イルカ男子二人が入江の上へ見に行った
から。そのあと、漁を終えるまでの時間稼ぎをマジガチでやらなくっちゃ」
「オレに待てってのかよ? それまで、こんな半端すぎるトコで?」
「そうすれば、ワタシたちも内地行きの荷馬車に、サカナと一緒に乗れるかもだか
ら~。ワタシと一緒に巧くやらないとダメなの。わかったぁ?」
そもそも今頃漁に出ることに、疑問を感じていた魁だった。
だが、船から降ろされた積み荷が内地へと運ばれるタイミングに合わせれば、そ
れ以上はない鮮度で、サカナも届けられると考え及んで決疑する。
しかしながら、その積み荷を運んできたであろう船がここを出て、まだ見える距
離にいたということとの関係から、魁にはまたも疑問がムクムクと湧いてしまう。
荷物の積み降ろし作業時間や、船が着いた時刻、延いてはロンイェールビまでの
距離などを、逆算的に推測しきれない場違いなもどかしさが、魁を新たにモヤつか
せだす。
「‥‥わかるかよっ、ほとんど何もわかりゃしないってのに」
「エ~ッ。またそんなトコから蒸し返してくれちゃうわけぇ?」
「て言うか、イプラさんだっけ? 当人を前にして本心を口走ってもキズつけるだ
ろが。dooだってわかっちゃいないんだよ全然、その辺からdooはさっ」
「魁こそ全然わかっていないクセに、言ってくれちゃうんだからぁ」
「何がだよ? て言うか、わかるもんかっ」
「ワタシが発している言葉は聞かせていないもん。イプラのキュートな、このWi
z、何一人で口パクしてんの? って顔を、魁にも拝ませてあげたいくらいなの」
「そうかよっ‥‥て言うか、それはムリなんだな? 何でもはマジガチにできない
ようで、一安心だっての」
「そ? ならよかったじゃなぁい、なんか引っかかるけどぉ」
「声だけならまだしも、いきなり映像を目の前におっぴろげられて、視界を塞がれ
たらヤバすぎだろが。そもそもオレの脳ミソは、勝手にイメージをおっぴろげる壊
れ方をしてんだからなっ」
「だと思って、それもできるけどやらないだけ~。イプラの、きょとんが入った訝
り顔も、プリチ~すぎなんだもん」
「‥‥ふざけるだけならスグやめろこんなことっ。dooのお蔭で、オレは実力行
使に出とくしかなくなってんだ、もう鬼代官に取り入る段取りはないからな」
「またぁ、勿体ないこと~。じゃぁ何かあってのことなわけ、段取りとまで言えな
くても考えが魁には?」




