第二百三十四話
高級店だけあり出てくる肉は高級品であり口に入れればとろけたりと今まで食べたどの肉よりも美味しかった。
楓の両親は次々に肉を追加注文しては楓と俊の皿に焼いた肉をのせてくる。
「お父さん。こんなに頼んで本当に大丈夫なの?」
楓は心配そうに再度そう聞く。
「本当に気にしなくていいから」
そう言って楓の父はさらに肉を追加注文してしまう。
俊は値段のことを心配しつつも頼んでしまったものはしょうがないし、本当に肉が美味しくて箸が止まらなかった。
「はぁ・・・。本当にもう無理」
「私もこれ以上は食べられないわ」
2人の様子を見ていた両親2人はそこで注文するのをやめてくれた。
少し食休みをしてから店を後にしようとする。
だが、ここで問題が発生した。
楓の父がカードで支払いをしようとしたが上限額を超えてしまったようで支払いができなかったのだ。
「現金は持ってないしどうしよう・・・」
「私がATMで現金を下してくるわ」
「いえ。ここは僕に払わせてください」
俊はそう言って自分名義のブラックカードを店員に渡す。
店員は驚いてはいたがすぐに手続きをしてくれて無事に料金を払うことができた。
「俊君。悪いね」
楓の父は気まずそうにそう言ってくる。
「いえ。気にしないでください」
俊の現在の資産は莫大な物となっている。
カードを用意してくれたのは父であるカールだが地球で価値のある物を売って現金を確保することも可能なのだ。
「はぁ・・・。なんだか格好悪いところを見せてしまったね」
「それにしてもあの額をぽんっと出せるなんて・・・」
「俊は宙域を支配する領主様だものね。私達に払われるお給料も高いし」
「それは楓達がきちんと働いて稼いだお金だからね」
領主としてきちんと待遇に見合った給料を支払うというのも大切なことだった。
人は対価に対して正当な評価が得られていなければ不満を覚えるものだ。
雇っている者としてそこをけちって去られても文句は言えないと思っている。
ただでさえ、人手が不足しているのだ。
宙域を去られてはそれは本当に致命的な危機になってしまう。
楓達がヨルムンガンドの自爆に巻き込まれて消えた後は本当に大変だった。
AIを中心に戦力を立て直したが宙域内の治安はもちろんのこと通常の資源調達にも大きな穴ができていた。
もし皇帝であり祖父であるシュラバがいなければ勢力を維持するのも難しかっただろう。
それぐらい支配する宙域は不安定な状態に追い込まれていた。
楓達、女性陣はそれぐらい俊の統治において重要な役割を果たしていたのである。




