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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第二百三十三話

俊と楓が帰ってきたということでこの日は外食に行くことになった。


楓のお父さんが運転する車に乗り込み飲食店が密集する地域に向かう。


楓と楓のお母さんは後部座席でおしゃべりを楽しんでいた。


俊も楓のお父さんと雑談に興じる。


「俊君。楓との生活はどうだい?」


「すみません。仕事の関係であまり一緒に過ごせていなくて」


「そうなのかい?」


楓のお父さんはそう言って驚いている。


そこに楓も話に加わってくる。


「私もちゃんと働いてるんだから」


楓は空母艦隊を指揮し大活躍している。


それは紛れもない事実だった。


「楓にはお世話になりっぱなしですね」


「楓がねぇ・・・。私から見るとまだまだ子供に見えるんだけど・・・。子の成長は早いものだな」


そう言う楓の父親は少し寂しそうな顔をしていた。


「そうえいば、俊君は今、何の仕事をしているんだい?」


「新規宙域の開発と運営ですね」


「なんだか規模が大きそうだね。まるで昔のお貴族様みたいだ」


「それは間違ってはいないですね。父さんは公爵家の当主で母さんは皇族ですので」


「あの2人が?」


そこで楓のお母さんも会話に加わってくる。


「確かに世間知らずなところがあったからね。良いところのお嬢さんとぼっちゃんって感じで」


「あぁ。出会った頃は確かにそんなだったね」


「日本での生活に慣れていない上に悪い人に騙されないかとひやひやしたものよ」


「そうだったんですね」


自分達が生まれる以前の両親がどんなだったかは聞いたことがなかった。


こうして楓の両親から自分の両親の話を聞くと新鮮な感じだった。


「俊君のご両親はどうして地球に?」


「最初は新婚旅行のつもりだったみたいですよ。でも、地球が気に入って居ついてたみたいですけど」


「そうだったのか・・・。でも、確かに2人はずっと楽しそうだったな」


「そうね。特に俊君が生まれてからはそれが顕著だったわ」


「それは僕達も同じだね。楓が生まれてからは本当に毎日が楽しくて」


そう言っている楓の両親は今もとても幸せそうに見える。


「このお店でいいかな?」


楓のお父さんはそう言って高級焼き肉店の駐車場に車を入れる。


「お父さん。お金は大丈夫なの?」


楓は思わずそう聞いていた。


「お金のことは気にしなくていいから」


そう言ってにこにこ笑っている。


俊は自分名義の地球のカードを父であるカールから受け取っている。


受け取ったカードはいわゆるブラックカードであり足りないようなら自分が出してもいいと考えていた。

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