第二百三十二話
俊と楓はユーシィを連れて親衛艦隊の船に乗り込む。
他の女性陣はお留守番だが惑星ユグドラシルは豊かな惑星だ。
それぞれ好きに過ごすだろう。
「それてにしても地球かぁ・・・」
楓がそうこぼす。
「離れてから結構、時間が経ってるからね」
「そうね・・・。うちの両親は相変わらずなんだろうなぁ」
楓の両親は仲が良く世話好きな部分がある。
俊達の一家はそれに助けられた面も大きい。
「何かお土産を用意できればよかったんだけど・・・」
「あっ。それなら一応用意しといたわよ」
「いつの間に・・・?それで、何を?」
「美味しかった果物をいくつかね」
「持ち込んで大丈夫なのかな?」
日本は検査に煩い国だ。
地球の物でも海外の生の物は持ち込めなかったりと厳しいルールがある。
「そこは大目に見てもらうってことで」
「まぁ・・・。空港を利用するわけじゃないし何とかなるか」
俊は突っ込むのをやめてそう結論づけた。
親衛艦隊の船は主要航路を外れると地球に向けすぐにワープに入る。
ワープが終わると太陽系に入っていた。
親衛艦隊は月の裏側に向かうとそこで停止する。
「ここからは降下艇ですが本当にお2人でいかれるのですか?」
「うん。悪いけどぞろぞろ連れて歩くと目立ちそうだから」
「そうですか・・・。ですが、何かあればお呼びください。すぐに駆け付けますので」
「その時はよろしくね」
俊と楓は降下艇に乗り込みそのまま地球に向かった。
俊達の故郷は人があまり入り込まない山が点在している。
そのうちの1つに降下艇を降ろす。
そして、念のために光学迷彩で降下艇を隠す。
「これでよしと」
「う~ん。なんか帰ってきたって感じね」
「数日はゆっくりしてそれからハイエルフに会いに行こう」
「うん」
俊と楓はそのままゆっくりと山を降りて楓の家に向かった。
暦では今日は土曜日のはずなので楓の父親も家にいるはずだ。
家に着きそのまま玄関に向かう。
そして扉を開いて家に上がり込む。
「ただいま~」
楓はそう言って普段通りにリビングに向かった。
「楓?おかえりなさい」
「うん。ただいま」
「俊君もよく来たね」
「ご無沙汰しております。これお土産です」
そう言って俊は背負っていた果物を楓のお母さんに渡す。
「気を使わせちゃったみたいで・・・」
「いえ。中々顔を出せず申し訳ありません」
「2人は宇宙にいるのだもの。そうそう帰ってこれないでしょ?」
「そうなんですけど楓を連れ出してしまって寂しい思いをしていないですか?」
「いつかは来ると思っていたことだからね。少々時期は早かったけど」
そう言って楓の両親は笑っていた。




