二百三十一話
地球に向かうことを決めた俊だったが乗る船が問題だった。
工作艦である明石は艦隊の修理中で動かせない。
電子戦艦であるメティスも明石の修理を効率化する為に協力している状態だ。
「俊様。我々が送り届けます」
そう進言してきたのは親衛艦隊の指揮官だった。
「今回はお願いしようかな」
彼等も俊を守る為に派遣されているのだ。
別行動をとればそれは仕事を奪うことにもなる。
「俊殿。出立の前にユグドラシル様の元に向かいましょう」
マーカスがそう申し出てくる。
「そう言えば精霊の子を受けとらないといけないんでしたね」
「はい」
マーカスと共に再びユグドラシルのいる空間に向かった。
「良いタイミングできましたね。この子を抱っこしてあげてください」
そう言って精霊の卵を受けとる。
卵はドクンドクンと脈打っていた。
俊が優しく卵を撫でると殻にヒビが入る。
中からは小さいな女の子の精霊が飛び出してきた。
「ようやっと会えたね」
「無理をさせてごめんね」
「ううん。私が勝手にしたことだから」
「君の名前は何て言うのかな?」
「私に名前はまだないよ。俊がつけて」
「そうか・・・。う~ん」
俊は一生懸命に精霊の名前を考える。
「ユーシィとかはどうかな?」
「ユーシィかぁ。ちなみに由来は?」
「ユグドラシル様のユを頂いて後は何となく?」
「何となくって・・・。まぁ、気にいったからいいや」
どうやら納得はしてくれたようだ。
「俊。その子は力は強いですがまだまだ赤ん坊と変わりません。どう成長するかは貴方次第です」
「わかりました。立派な精霊に育ててみせます」
子育ての経験はないがAIである明石達を見守ってきた実績がある。
なんとかなるだろう。
「1つだけいいですか?」
「何でしょうか?」
「ここを巣立ったハイエルフ達に関しては今はどうなっているかはわかりません。好戦的な子はいないはずですが十分に気を付けてくださいね」
「わかりました」
俊はユーシィを連れて皆のところに戻った。
女性陣がユーシィに気が付いて群がってくる。
「その子が俊の精霊?」
「うん。ユーシィって言うんだよ」
「ユーシィちゃん。俊のことをよろしくね」
「私は優秀なのです。任せてください」
そう言って小さな胸をユーシィが張る。
「こら。調子に乗らない」
俊はそう注意をする。
他の精霊よりは力を持っているとはいえ増長はよくない。
「はぁぃ。ごめんなさい」
ユーシィはすぐにそう謝ってくる。
「俊。虐めるのはよくないよ?」
ハルカがそう言ってくる。
「まだ生まれたばかりだからね。最初が肝心だと思って」
俊はそう言いながらユーシィの頭を指で撫でてやる。
「へへ」
頭を撫でられているユーシィは幸せそうな顔をしていた。




