第二百三十五話
俊達は高級焼き肉店を出た後、大型ショッピングモールに来ていた。
「それじゃぁ、私達は行くわね」
楓の両親とは駐車場でわかれて楓と共にショッピングモールの中を俊は歩いていた。
「ちょっと来ないだけでこんなに変わるんだね」
「そうね」
ショッピングモールに入っている店は入れ代わりが激しいのか見たこともない店も多かった。
楓は物は買わない物の店の中をじっくりと眺めている。
「欲しい物があったら言ってくれたっていいんだよ?」
「ん~・・・。デザインとかはいいけどやっぱりあっちの方が性能とかいいからなぁ」
あっちというのは宇宙で買える商品のことだろう。
地球と宇宙では技術が違う。
そう思ってしまうのもおかしなことではなかった。
俊達が今、身に着けている服も宇宙の物だ。
汚れにくい上に頑丈で汚れがついてもボタン1つで汚れを分解する機能が組み込まれている。
この便利さを知れば地球の服がどうしても劣っているように思えても仕方ないだろう。
「楓。もうしばらくお店をまわる?」
「そうね。そのつもり」
「僕は本屋とか行ってきていいかな?」
「本屋に?」
「うん。マーカスさんにお土産を買うって約束してたからね」
「あぁ。そんなことも言ってたわね。でも、私を置いて行っちゃうんだ」
「長そうだからね・・・」
女性の買い物が長いのは経験上よくわかっている。
付き合っていたら自分の時間がどんどん削られていくのだ。
甲斐性がないと言われようと俊としても譲るわけにはいかなかった。
「はぁ・・・。わかったわ。でも、貸し1つね」
「う、うん・・・」
一緒にいられないというだけで貸し1つというのは納得がいかないがここで反論しても楓に言い負かされる気しかしなかった。
「楓。また後でね」
「はいはい。行った行った」
先程までは機嫌が良さそうだったのにこれだけで機嫌が悪くなったのがわかった。
自分のせいとはいえ、申し訳なさが出てくる。
「なるべく早く合流するようにするから」
俊に言えるのはこれだけだった。
楓は聞いているのかいないのか1人でどんどん歩いていってしまった。
「はぁ・・・。相当機嫌が悪いな。後で何か考えないと」
俊はそう思いつつも案内板の指示に従って本屋を目指す。
ここのショッピングモールには巨大な本屋が入っている。
マーカスが気に入るような作品も置いてあるだろう。
購入するとしたらラノベ作品やSF作品。
後は漫画とかになるだろうか。
本屋に向かいながらも俊はそんなことを考えていた。




