第二百二十七話
「世界樹であるユグドラシル様は上位存在によってこの世界にやってこられました」
「上位存在?」
「はい。ですが、上位存在がいるということ以外はわかっておりません」
「なんだか怖いですね。ですが、その上位存在の目的は何だったのでしょうか?」
「この宇宙に生命を誕生させることです。我々もそうですが他の種族もユグドラシル様が種子をばら撒き誕生したと言われています」
ユグドラシルを見れば頷いている。
「我々はユグドラシル様がいなければ生まれていなかった?」
「そうなりますね。ですが、ユグドラシル様はこの宇宙には危険が潜んでいることを認識しておられました。そこで、ハイエルフと呼ばれる方々を直接生み出されオリジンと呼ばれる精霊と共に見守り手として各地に派遣されました」
「俊。貴方が暮らしていた地球にも株分けされた世界樹とハイエルフが住んでいるのですよ」
「そうだったのですか?ですが、伝承はあっても存在は認識されていないようですが・・・」
「無用なトラブルを避けるために魔法を使って隠匿しているのでしょう」
「なるほど・・・」
「この地にもハイエルフの方はおられますが我々も接触できておりません」
「あの子は引き籠りですからね。文明が十分発達して自分の手助けはもういらないと思っているのでしょう」
「我々も手を煩わせるような事態は望んでおりませんので」
「よい心がけです」
「俊殿。銀河帝国と我々が接触した際、友好の証をとしてハイエルフの方が銀河帝国に嫁ぎました」
「どれぐらい昔の話なのですか?」
「もう何世紀も前だったはずです」
「銀河帝国はそんな昔から存在しているのですね」
「歴史の長さで言えば我々の方が長いですが銀河帝国は当時から無視できないほどの勢力を誇っていました。我々は争うのではなく共存を選んだのです」
「エルフの方々は争いを好まないように見えるのですが・・・」
これは少ない時間ではあったがエルフの人達を見てきた感想だった。
「それは個人差がありますね。エルフィンドのような跳ねっ返りもおりますので」
「確かに・・・。ですが、基本的には必要がなければ争いは嫌いですよね?」
「そうですね。それは我々が生み出された経緯もあるでしょう」
「生み出された経緯・・・。世界樹を守ることですか?」
「その通りです。ハイエルフの方々は我々よりすごい力を持っていましたが数が足りませんでしたので。我々は数を補うために生み出されました」
「私は守られなくても自衛できますけどね」
ユグドラシルはそう笑っていた。
ユグドラシルは明らかに自分達はとは生命の格が違う。
上位存在と言ってもはばかられないだけの力を持っているように見えた。




