第二百二十六話
寝て体力の回復した俊達はユグドラシルに戻る。
与えられている部屋で待っていたのは義父であるマーカスだった。
「突然、訪ねてすまないね」
「いえ。何かありましたか?」
「ユグドラシル様が待っていると言っただろ?早く連れてくるようにと言われてね」
「すっかり忘れてました。すみません」
「いや。気にしないでくれ。若い人の気持ちもわかるからね」
「皆。悪いけどちょっと行ってくるね」
俊はマーカスに連れられ再び転移魔法陣にやってきた。
「では、行くとしよう」
マーカスは転移魔法陣を起動させる。
浮遊感の後、移動した先は真っ暗な部屋だった。
「今、明かりをつける」
マーカスは魔法でふわふわ浮かぶ明かりをつけてくれる。
「ありがとうございます」
「では、行こうか」
マーカスに連れられ移動する。
移動先に待っていたのは絵でも表現できないような美女だった。
「やっときましたね」
「お待たせしてすみません」
「まずは力を失った子を預かりましょう」
俊はずっと背負っていた精霊の卵を抱えユグドラシルに渡す。
するとユグドラシルは大切そうに抱え精霊の卵を優しく撫でる。
それはまるで我が子を愛する母のようだった。
「無茶をしましたね。普通の精霊なら消滅していてもおかしくなかったのですよ」
「ユグドラシル様。その子は特別なのですか?」
マーカスがそう尋ねる。
「他の子は番うことで増えますがこの子は私が直接生み出しました」
「オリジン・・・。それなら起こったことも納得です。ですが、卵の状態でそれだけの力を振るえるとは・・・」
「この子の要請に従い私も力を貸しましたからね」
「しかし、何故それほどまでに俊殿に力をお貸ししたのですか?」
「それはこの世界を変える特異点になりえるからです」
「俊殿は銀河帝国の皇族とはいえ、普通の人間ですよね?」
「いいえ。それは違います。銀河帝国の皇族にはかつてハイエルフが嫁いだことがありましたね?」
「文献では知っていますが・・・。もうかなり昔のことですよね?」
「俊はいわゆる先祖返りです。ハイエルフと同じぐらい精霊との親和性が高いのです」
「あの・・・。話しが見えないのですが・・・」
俊からすればオリジンやらハイエルフやら何が何だか全く分からなかった。
「マーカス。説明は任せましたよ」
どうやらユグドラシルはマーカスに全て丸投げするようだ。
「少し長くなりますがいいですか?」
マーカスはそう確認してくる。
「話を聞かなければ話を理解できそうにありませんので」
「では、1つ1つ説明しましょう」
マーカスはそう言って真剣な顔で語りだした。




