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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第二百二十五話

俊が部屋に戻ると楓達が待っていた。


「俊。おかえりなさい」


「ただいま」


「皆で散歩に行かない?」


「散歩?」


「うん。エルフィンドがお勧めのポイントがあるんだって」


「ふふふ。私のお気に入りだよ」


「皆で見に行けばよかったのに」


「俊と一緒に見たかったの」


「そうそう」


他の皆も考えは同じようだ。


「わかった。一緒に行こうか」


「こっちだよ」


エルフィンドが先頭に立ちユグドラシルの中を移動する。


連れてこられたのは何やら魔法陣が描かれている部屋だった。


「ここがそう?」


「違う違う。これは転移魔法陣。これで近くまで飛ぶの」


全員が部屋に入ったのを確認してエルフィンドが魔法陣を起動させる。


ちょっとした浮遊感があったがそれはほんの一瞬だった。


「こっちだよ」


エルフィンドは部屋を出て皆を誘導する。


ユグドラシルの上の方にいたはずが地上にまで降りてきたようだ。


外に出ると小型の船が複数、湖に浮かんでいた。


「全員は1つの船に乗りきれないから別れてね」


俊は楓と同じ船に乗り込む。


エルフィンドは慣れた手つきで船を操る。


俊達も見よう見真似で船をこぐ。


ユグドラシルからある程度離れたところでエルフィンドが船を止めた。


「ほら。ここから空を見上げるとすっごく綺麗なんだよ」


言われて空を見上げる。


ユグドラシルからは明かりが漏れているが星の輝きを邪魔するほどではない。


空には満点の星空が広がっていた。


「うわぁ。こんなに綺麗に見えるんだ」


他の皆も絶景の星空に見とれているようで誰も口を開かない。


「今の地球じゃ考えられない風景かもね」


「そうだね」


地球で空を見上げても環境汚染や人工の明かりでここまで綺麗な星空は見れないだろう。


それに対して惑星ユグドラシルは魔法のおかげで環境汚染が起こることはありえない。


全員で満足するまで空を見上げていた。


「そろそろ戻る?」


「目的地があるからね。そっちに行こう」


そう言ってエルフィンドがいたずらっ子のような笑みを浮かべる。


「わかった」


エルフィンドの先導で再び船を進ませる。


たどり着いたのは水上に浮かぶ木で出来た小屋だった。


「ここが目的地?」


「うん。ユグドラシルの中だと人の目があるからね」


「人の目を気にするってことは・・・」


俊は何故ここに連れてこられたのか理解した。


彼女達が満足するまで解放されそうにないが離れ離れになっていた間の隙間を埋めるのも悪くないだろう。


彼女達が満足する頃には俊はげっそりになっていたがやり遂げた満足感があった。

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