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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第二百二十一話

「明石。悪いけど修理の方は任せていいかな?」


「任せるのです。全ての船をピカピカにするのです」


「頼もしいね。後、余裕ができてからでいいんだけど・・・」


俊は明石にとあるお願いをする。


「そちらも任せるのです。大船に乗ったつもりで待ってるのです」


明石はやる気に満ちている。


暴走しないかそこだけが怖いが信頼するのも主としての役目だろう。


「マスターは皆とゆっくりしてるのです」


「任せたからね」


俊は明石を残して連絡艇に乗り込む。


そしてエルフの主星であるユグドラシルが根付いている惑星に向かった。


連絡艇は何も問題なく主星にたどり着く。


連絡艇を降りれば懐かしい顔が揃っていた。


「楓。ハルカ。アカネ。シオン。フィーネ。エルフィンド。マーチェ。無事でよかったよ」


俊は全員の名前を呼び喜びを表現する。


「心配かけてごめんね」


「いいんだ。全員無事なら。他の皆は?」


「それぞれくつろいでるわよ」


「こんなところじゃなんだから移動しましょう」


エルフィンドにそう促され移動する。


「こっちよ」


エルフィンドがそう先導する。


案内された部屋はまるで木の中のようだった。


「変わった様式だね」


「ここだと普通なんだけど確かに特別な場所かもね」


「どういうこと?」


「ここはユグドラシルの中なのよ」


「ここがユグドラシルの中・・・。それって大丈夫なの?」


「生活に使ってる場所はユグドラシル様に許可を得てるから大丈夫よ」


「いいのかなぁ・・・」


俊はそう不安になる。


「最初は私達も気が引けてたんだけどね」


「そうそう」


「でも、住んでみたら過ごしやすくて」


「うんうん。常に気温は適温に保たれてるしね」


「窓から見える景色も幻想的だから1度見てみるといいわ」


「わかった。わかったから」


俊はそう言うしかなかった。


「俊殿。再会の最中に申し訳ないね」


そう言って訪ねてきたのはアピス公爵家当主であるマーカスだった。


それだけでなく前当主であるマーカスと見慣れない男性もいる。


そこで俊はある事実に気が付いた。


現当主も前当主も同じマーカスなのだ。


同時に会ったことがなかったので問題にならなかったがどう呼べばいいのか悩むことになった。


「俊殿。何かお困りかな?」


「いえ。お2人共。マーカスなので・・・」


「あぁ・・・。これは昔から続く慣習でね。当主になる者はマーカスを名乗ることになってるんだ」


「それで同じ名前なんですね。どうお呼びすれば?」


「私のことは義父さんとでも呼んでくれればいい」


「儂は義祖父じゃな」


「では、僕は義兄とでも呼んでもらおうかな」


見慣れない男性もそう言ってくる。


「もしかしてエルフィンドの・・・?」


「あぁ。兄だ。父が引退したら当主を継ぐことになっている」


「挨拶が遅れてすみません。義兄さん。よろしくお願いします」


「こちらこそ」


俊と義兄であるマーカスは握手を交わす。


人柄も良さそうでうまく付き合っていけそうだった。

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