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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第二百二十話

俊はすれ違う船の多くに変わった特徴があるのに気が付いた。


「変わった船が多いですね」


「あぁ。俊殿は見たことがなかったのか。我々の船の造りかたは特殊でね」


「特殊ですか?」


「船の素材として特殊な木を利用していてね。推進機関は他とは全く違っているんだ」


「木をですか?それって大丈夫なんですか?」


「俊殿が疑問に思うのも当然だが、他の船より優秀なぐらいなんだよ」


「なるほど・・・」


世界は広いというがエルフ達の造船技術は俊達が知らないもののようだった。


「だが、問題もある」


「と、言うと?」


「他の船と違いすぎるからね。他の宙域に出ようものなら集中的に狙われることになる」


「あぁ・・・。妖精狩りですか」


「なので、外に出る時は輸入した船を使うようにしているんだ」


確かに依然、マーカスが俊の支配宙域に訪れた時も現在乗っている船も俊の知っている技術で造られた船だった。


「問題はもう1つある」


「どういうことですか?」


「技術が違いすぎて自分達では輸入した船をメンテナンスできないんだ」


確かにこれだけ違えば納得の理由ではある。


「それが自分を呼び寄せた理由ですか?」


「それもあるけどユグドラシル様が呼んでおられたからね」


「あぁ。そう言えばそんなことを言われてましたね」


「詳しいことはおっしゃられなかったけど俊君に用があるらしい」


「気にはなりますが・・・。今は今後のことですね」


「資材については可能な限り集めておいたから修繕は任せるよ」


「明石と工作機を投入すればなんとかなるでしょう。ですが、負担になったのでは?」


エルフ達は鉱物などを船造りに使わない。


わざわざ集めたということはかなりの出費だったはずだ。


「気にしないでくれ。私達の仲だろ?」


マーカスはそう言ってくれるが何か出来ることを考えておいた方がいいだろう。


エルフィンドが嫁の1人ということで家族ではある。


だが、そこは領地を抱えた貴族同士だ。


あまり貸し借りを作るべきではなかった。


「おっ。見えてきたね」


俊はモニターを確認する。


すると圧倒的な景色が目に入ってきた。


宇宙まで伸びた木が存在していたのだ。


「あれは・・・」


「あれが世界樹。ユグドラシルだよ」


「木ってあんなに巨大になるんですね」


「私達にとっては見慣れた光景ではあるけど他の木ではありえないからね。自慢でもある」


「あそこに皆がいるんですね」


「今はそれぞれ好きなことをしてのんびりしてもらっている。着いたら俊君ものんびりするといい」


「ご気遣いありがとうございます」


無事なのは知っていたが俊としては逸る気持ちが抑えきれなかった。

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