第二百一話
女性陣が休んでいる間に俊は方針を変更していた。
宇宙生物が多いということはまともな戦闘などできない。
それを考えたらまずは宇宙生物の数を減らす必要がある。
実戦に投入されたエルフの艦隊や到着した傭兵には宇宙生物の数を減らすように指示を出していた。
狩った宇宙生物を買い取るとも通達を出していたので傭兵達は目の色を変えて嬉々として宇宙生物を積極的に狩っていた。
俊としてはやる気を出させるとともに戦力としてどの程度、信用できるのか調べる目的もあった。
ドリトルが厳選しただけあって傭兵達の腕は素晴らしかった。
正規艦隊ともまともにやりあえるぐらいの腕はある。
だが、完全に信用するのも危険だろう。
命あっての物種だ。
危険と判断すれば独自の判断で離脱する可能性もある。
それを考えれば重要な場面では運用しにくい戦力とも言える。
悩んでいる俊をシュラバは何も言わずに眺めている。
それはまるで試されているようでもあった。
俊は布陣を考えてはシミュレーションで何度も試す。
相手は練度の高い銀河帝国の正規艦隊10艦隊を想定している。
こちらは特級戦力であるエルフの艦隊にドリトルの万能戦艦であるヴィービルも抱えているが正面きって戦えばかなりの被害が出るのが予想された。
集められるだけ戦力は集めたがそれでもこちらの方が戦力が少ない。
被害を抑えつつ戦うには厳しい相手だろう。
ちなみに10艦隊というのは帝都から出航が確認されている戦力に逃げ込んだ犯罪者の数。
元から拠点にいた人員などから予想を立てている。
予想はかなり悪い方向で立てているがそれでも実際の数がずれている可能性はかなりの確率であった。
「俊よ。実際の戦力はもっと少ないじゃろ」
シュラバが見かねてそう助言してくれる。
「どうしてそう言い切れるのですか?」
「計画を見破れなかった儂がいうのもなんじゃが、大規模に動いていればどこかしらで計画は漏れていたじゃろ」
銀河帝国の情報網は優秀だ。
どれぐらいの期間をかけて準備をしていたかはわからないが規模がもっと大きければ察知できていてもおかしくはなかった。
「ですが、最悪を想定して動いていた方がいいのでは?」
俊としては大事な人達の命がかかっているのだ。
楽観視などできなかった。
「心配はわかるがの・・・。それだけでは身動きがとれなくなるものじゃ。覚えておきなさい」
そこには為政者としての重みが詰まっている気がした。
俊は責任者として出来ることは何でもするつもりだが大事な決断をする必要があるのかもしれない。
きっとその時はそう遠くないだろう。




