第百九十一話
俊と皇帝陛下であるシュラバは豪華客船の一番豪華な部屋で対面していた。
「お爺様。このような場所しかなく申し訳ありません」
「いや。開発を優先しているのだろう?突然来たこちらにも非がある」
シュラバは冷静にそう言う。
俊は怒っていないことに安心する。
「それで、お爺様。今回はどのような目的で来られたのですか?」
「うむ。人格を持ったAIが複数居るそうだな?」
「確かにおります」
俊は素直に認める。
「すまないがこの場に呼び出してはくれんかな?」
「わかりました」
俊は明石と信濃とメティスにすぐに来るように伝える。
そう時間も経たず明石達はやってきた。
「マスター。呼んだのです?」
明石が代表して聞いてくる。
「ふむ。この子達がそうか」
シュラバはそう言って明石達を眺める。
「このお爺さんは誰なのです?」
「僕の祖父。つまり銀河帝国の皇帝陛下だね」
「わわ。凄い人なのです」
明石は慌て出す。
信濃とメティスは状況が飲み込めないのかぽかーんとしていた。
明石もそうだが信濃もメティスも生まれてからまだ時間が経っていない。
精神的にはまだまだ子供なのだ。
「そう慌てんでもよい。ふむ。どうやら良い子達のようじゃな」
「お爺様。失礼がありましたらすみません」
「よいよい。俊はこの子達に人権を認めてほしいのじゃったな」
「はい・・・」
「現時点では何とも言えぬ。だが、考えておこう」
「ありがとうございます」
認めてもらえなかったのは残念だが可能性はある。
今はそれで良しとするしかないだろう。
「俊の宙域はAIに頼っている。そういう認識であっているかの?」
「はい・・・。人材を集めようとしても苦戦しております」
「辺境という立地上、仕方あるまい。して、改善策は?」
「現在、元宇宙海賊の子供達を教育しております。その中から希望者が出れば採用する予定です」
「そうか・・・。時間はかかるが手を打っているなら問題ない」
シュラバはそう言ってほほ笑んでくれる。
シュラバの立場なら人材を出すのは簡単だろう。
だが、力を借りれば立場上、対価を要求しなければならない。
親族ではあるが皇族である以上、どうしても政治が絡んでくる。
「して、逃げた犯罪者の方はどうなっている?」
「現在、調査をしておりますが情報はまだ・・・」
「ふむ。砂場から宝石を探すようなものだろう。焦らず進めればいい」
どうにか及第点と言ったところだろう。
「それで、お爺様はどれぐらいこちらに?」
「帝都はアルシェントに任せてきたらの。こうしてゆっくり共に過ごせる時間は貴重じゃ」
どうやらしばらく滞在していくつもりのようだ。
俊としても祖父とこうして会えるのは嬉しいのだ。
政務を放り出すわけにもいかないができるだけ時間を取れるように調整した方が良さそうだった。




