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万能工作艦明石の軌跡  作者: 髙龍


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第百九十話

俊の支配する宙域に大規模な艦隊がワープアウトしてきた。


管制官はワープアウトと同時に発されている信号にパニックなる。


それは、銀河帝国で1人しか使うことを許されていない信号だったからだ。


「と、とにかく落ち着け。領主様にすぐに報告を」


混乱したままベテランの管制官がそう指示を出す。


「ご領主様。緊急事態です」


これまた混乱したままの管制官がそう報告をする。


「落ち着いてください。貴方方が混乱すれば宙域中がパニックです」


俊はまず、落ち着くように言う。


管制官はそう言われ深呼吸をする。


「取り乱し申し訳ありません。ですが・・・」


「それで何が起きたんです?」


「こ、皇帝陛下が来ております」


「皇帝陛下が?」


俊はそう言われてもすぐに反応できない。


突然現れるには大物すぎる。


「俊様。それが本当なら出迎えませんと」


マーチェがそう進言してくる。


「あぁ・・・。そうだね。悪いけど信濃を出してもらっても?」


「はい。もちろんです。信濃は俊様の船ですから」


「後は親衛艦隊にも出動するように伝えて」


「わかりました」


マーチェが手早く手続きをしてくれる。


親衛艦隊は流石というべきか指示を出される前に出動準備を整えていた。


俊は信濃に乗船し親衛艦隊を引き連れて皇帝陛下であるシュラバを出迎える。


俊が到着するまでその威容を見せつけるようにシュラバの率いる艦隊は隊列を整えてゆっくりと進んでいた。


俊はシュラバの乗る座乗艦であるバハムートに通信を送る。


「皇帝陛下。お初目にかかります。俊・マーキュリーです」


「出迎えご苦労。出動までに時間がかかったな?改善するように」


「はっ。申し訳ありません」


俊は自分の不手際を詫びる。


「ところで俊よ。他に呼び方があるだろう?」


まさか、そんなことを言われるとは思っていなかったので反応に間が空く。


「お爺様・・・?」


「うむ。それでよい」


銀河帝国を治める皇帝ということで気難しい人を想像していたがどうやら孫馬鹿だったらしい。


2人が会話している間に部下はきちんと対応しており、艦隊は合流し惑星雪風へと向かっていた。


賓客を迎え入れられる場所を考えた結果、俊は遊んでいる豪華客船を選んだ。


趣味で作ったはいいものの運用出来ておらず、部下達の保養施設になっていた。


休暇中で豪華客船で遊んでいた者もいたのだが、事情を話すと納得して協力してくれた。


予想していなかった来客ではあるものの今後も大物が突然訪れることもあるだろう。


それを考えたら迎え入れる場所の確保も急務といえるだろう。

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