第百八十九話
俊は戻ってきた女性陣に頼み犯罪者達が逃げ込んだという宙域の捜査をしていた。
犯罪者達は見つかっていないが宇宙生物が大量におり有用な資源も複数見つかっている。
「簡単に見つかるとは思ってなかったけど苦戦しそうだね」
「そうですね。こればかりは気長にやるしかないのでは?」
調査といっても襲ってくる宇宙生物を無視するわけにもいかず、貴重な資源が大量に手に入る形となっていた。
「資源を有効活用しないとね」
移住可能な惑星を開発しているがそれだけでは移住してくる人達の生活スペースが足りない。
宇宙空間にもそれなりの生活スペースを確保する必要がある。
現在、移住空間を急ピッチで増設しているところだった。
それに伴い、防衛用の艦隊も数を増やしている。
だが、その多くはAIを運用する形で補っており、人材不足が本格的に問題だった。
「はぁ・・・。AIが多すぎるって言われたばかりなんだけどなぁ・・・」
俊はレシティアに忠告されてから自分の支配する宙域の現在の状況を改めて確認してみた。
命令権こそ人が握っているが戦力の大半はAIに頼っている。
現在、調査に出ている女性陣の艦隊もそれは変わらない。
なんとかしたいところだが、こんな辺境では宇宙船を操縦できる人は中々集まらない。
「そうですねぇ・・・。策がないわけではないですが・・・」
マーチェはそう口を噤む。
「考えがあるなら教えてくれたら嬉しいかな」
「いえ、本当に博打みたいな手になってしまうので・・・」
なおも、マーチェは言いづらそうにしている。
「この際、博打でも何でも打つべきじゃない?」
「はぁ・・・。俊様は傭兵の存在をご存じですか?」
「確か、ドリトルさんも元傭兵だったよね?」
「そうですね。彼等は戦うのが専門なので腕はあります」
「腕がなかったら食べていけないもんね」
「ですが、その・・・。品性が欠如している者が多くてですね・・・」
「雇っても、逆に治安を乱す可能性があると?」
「その通りです。短期ならまだいいですが、長期的に雇うのはちょっと・・・」
戦力の確保は急務だ。
だが、そのせいで治安が悪化しては意味がない。
「領民が嫌な思いをする可能性があるなら却下だね」
「ですよね・・・」
「人は降って湧いてくるわけではないし地道に育てるしかないか」
「ですね・・・」
結局、現在は打てる手がない。
そう結論付けるしかなかった。
当面はAIに頼り切りになるだろう。
それで問題が起きているわけでもない。
当面は元宇宙海賊の子供達を中心に育て、受け入れた犯罪者達の中からも希望する者を採用していく。
見極めは必要だがそういった方針でいくしかないだろう。




