第百八十八話
銀河帝国の情報局、局長であるマハモスはレティシアからの報告を受けてすぐに皇帝であるシュラバの元に向かった。
「皇帝陛下。失礼いたします」
「マハモスか。何かあったのか?」
シュラバはそう言って動かしていた手を止める。
情報局の局長であるマハモスは忙しい。
こうして自ら出向いてきたときは重要な案件の時が多かった。
「皇帝陛下が気にされている俊様の情報が入りましたので・・・」
「そうか。俊の・・・」
シュラバは呼び鈴を鳴らして使用人を呼び出す。
「皇帝陛下。何かございましたか?」
「すまないが、アルシェントを呼び出してくれ。それと茶を頼む」
「かしこまりました」
使用人はそう言うとすぐに下がる。
そう時間もかからず茶が人数分運ばれアルシェントもやってくる。
「お父様。何かございましたか?」
「俊の情報が入ったのでな。お主も気になるだろ」
「そうですね。忙しすぎて会いにいけていませんから」
アルシェントも公務が忙しく自由に動き回れる立場ではなかった。
「マハモス。待たせたな。話してくれ」
マハモスは紅茶を1口、口に含んでからレティシアからの報告を説明した。
「なるほどな・・・。AIが複数人格を持ったか・・・」
真っ先にマハモスが考えたのは古代文明の崩壊の理由だった。
あれは使用側にも問題があった。
マハモスはそう考えているが全員がそう考えているわけではない。
俊はアルシェントの息子の為、攻撃する為に利用する可能性があった。
「最終的には実際に会ってみてだな」
マハモスはそう断言する。
人格を持ったAIに人権を認めるかどうかは皇帝として可能だが実際に会ってみて判断する必要があるだろう。
「お父様が直接出向くのですか?」
「そのつもりだが反対なのか?」
「私だって会いたいのにずるいです」
「お主は少々暴れすぎだ。帝都でもう少し大人しくしていなさい」
皇帝はそう断言する。
アルシェントが暴れまわることで馬鹿の数はかなり減ったがそれでもいなくなったわけではない。
それに馬鹿でもいないよりましな状況というのがあるのだ。
アルシェントが暴れまわった結果、そのしわ寄せがかなりきていた。
「わかりました・・・」
アルシェントは父であるシュラバが俊に会いたがっていることも知っていたので素直に引き下がる。
「お父様が帝都を離れると忙しくなりそうですね」
「そうだな・・・。だが、それもお主の仕事だ」
皇帝陛下が帝都にいることの意味は大きい。
不在を狙ってまた、馬鹿が動き出す可能性が高かった。




