第百七十八話
俊は今後のことをウェルストンと話し合いお互いに納得できる折り合いをつけて泊っているホテルに戻ってきた。
部屋では楓にハルカ、アカネ、シオン、フィーネ。
エルフィンドにマーチェが揃っていた。
「皆、お待たせ」
「お仕事でしょ?仕方ないわよ」
そう言って慰めてくれる。
「ちょっと皆に報告があってね」
「な~に?厄介ごと?」
「うん。まぁね」
俊は全員に犯罪者に使われていた人々の受け入れをすることを説明した。
真っ先に反応したのは行政のサポートをしてくれているマーチェだった。
「決める前に相談してほしかったですね」
そう言ってマーチェは難しい顔をする。
「そんなに問題があったかな?」
「全員が本当に犯罪者に利用されていただけなのか保証がありません」
マーチェは受け入れのリスクを淡々と説明する。
「犯罪者が紛れている可能性もあります。それに、受け入れ準備なんてできていませんよ?」
受け入れるからには衣食住の保証が必要だ。
「今から準備したら何とかならないかな?」
居住区格は現在突貫で拡張中だ。
食料の方も試験的に導入した新システムを本格的に稼働したら何とかなりそうである。
「俊様。それは、全部がトラブルなくいった場合ですよね?1つでも躓いたらドミノ式で倒れる危険性があるんですよ」
俊はその可能性に気がついていなかった。
それにもう1つ問題がある。
現在、開発中の宙域は銀河帝国全体から移民を集めている状況だ。
突貫して移住区画を整備しているといってもそれは利用する予定で作られているのだ。
移民が到着した際に住む場所がありませんでは困るのだ。
「はぁ・・・。決まってしまったものは仕方ありません。今から計画を立てて指示を飛ばしておきます」
そう言ってマーチェは端末を開き完全に仕事モードに入った。
「なんかごめん・・・」
俊にはそう言って謝ることしかできない。
「いえ。俊様をサポートする為に私がいるのです」
俊達に出来ることはマーチェの邪魔をしないことだけだった。
「そうだ。皆に相談があるんだ」
俊はそう言って残りのメンバーに話しかける。
「相談?」
「うん。戦力の確保も大事なんだけど移送手段が弱いことがわかってね」
趣味で豪華客船は作ったがそれは遊び要素が強い。
今後のことを考えれば自前で移送手段を確保する必要がある。
「なるほど・・・。資源的には問題ないけど遊ばせることにならない?」
仕事があるうちは活用できる。
だが、移民が落ち着けばその利用価値は大きく下がることになる。
「そのことなんだけど・・・」
俊はレティシアに提案されたことを皆に説明することにした。




