ピンチ2 ~父は辛いよ~
朝食の準備が終わると、女将さんは自分の家に帰っていった。
マリンとカンナは起きて来ない。
昨日は遅くまで起きてたからな、仕方ないかと思い、一人で朝食を食べた。
今頃、女将さんは、師匠に今日、カンナに会いに来て良いと、言っているんだろう。
師匠も喜んで、来るだろう。そんな師匠を悲しませるなんて、弟子失格だなと思い、聞いた後に、どういう反応をするかが怖い。
そんな事を考えながら、師匠になんて言うかを、鍛練をしながら考えていた。
日も結構、昇ってきたので、マリンとカンナを起こしに行った。
ドアの外から、話声が聞こえた。
ここでノックせずに入ったら、大変な事になるな。と考え、ノックした。が、返事が返ってこない。声をかけて、もう一度ノックして部屋に入った。
2人は、なぜか顔が赤くなって、寝たふりをしていた。
俺は、気づいていないふりをして、2人を起こした。
2人を起こして?部屋をでたら、女将さんが、師匠を連れてきた。
「カンナ、久しぶりだな。元気にしてたか?」
嬉しそうに師匠がしていた。
「うん。」
カンナが緊張していた。
「なんだ?久しぶりだからって、緊張する必要ないんだぞ。お前の父親だからな━━…」
師匠の娘対する思いをしばらくの間、喋っていた。
師匠の親バカは本物だな…。
このまま、師匠の娘愛を聞いておけない。話の途中だったが、
「師匠、お話があります!」
師匠の話を遮った。
「ジン、なんだ?せっかく…ちょっと待て、やっぱりお前の話は聞かない。なんか、嫌な予感がする。」
さすが師匠だ…。勘の精度は、完璧に近いな。と尊敬していると、
「ボルドー聞いてやりな。大事な話だ。子供みたいに、逃げるんじゃない。」
女将さんが援護射撃をしてくれた。
「チッ…、それでジン、話ってなんだ?」
よし、言うぞ。
「し、師匠、実は…」
俺が良いよどんでいると、
「なんだ、そんなに言い難いことか?…まさか、カンナをください。なんて言うんじゃないよな。ワハハハっ…って、ここは、笑うところだろ?」
師匠、正解です。
俺は正座して、
「師匠、カンナとそういう関係になりました。許してください。お願いします。」
と、頭を下げた。
「ジン、てめえ、俺の娘と知ってて、手を出したのか!?えぇっなんか言ったらどうだ!?」
「さすがに、師匠に許しをもらってない状況で、まだ手は出してません。でも、そんな日が、いずれ来ると思いま…」
「そんな日は、二度と来ねーよ。俺がお前を殺してやるからな。けっと…」
…師匠の殺気半端ないな…やっぱりこうなるのね…と思っていると、
決闘と言う前に、
「お父さん、やめて!僕が選んだんだ。それを許してよ。」
師匠にカンナが、言った。
「カンナ、本当にジンで良いのか?後悔しないな?ジンは、━━こいつに、お前の初めてを、奪われてもいいん…」
本当に俺でいいのかを、俺の欠点とともに、ひつこいくらいに聞いていた。
「お父さん、いい加減、ウザイ…っていうか、もう初めてじゃないし…。」
師匠にとっては、衝撃的な発言をした。
確かに、独立して5年も経っているのに、娘が、まだ捨ててないっていうのは、父親の願望だろう…。
その発言が、よほどショックだったのか、なにも言えなくなっていた。
「ボルドー、認めてやりな。娘はもう独立してるんだ。しかも、奴隷だよ。普通は、もうヤってるよ。だが、ジンは私達の許しを望んでくれた。そんなものいらないのにね。通さなくていい筋を通しにきたんだ。もし、ジンじゃなくてブータンのような奴━━、それでも、決闘するって言うのなら、まず私としてから、ジンと決闘しな!」
女将さんの話は、結構続いた。俺じゃなくて、ブータンみたいな奴だったら、とか、自分もそうだけど、大半は師匠がカンナを甘やかしたからだとか、あまり関係のない、師匠の愚痴を、それらを聞く度に、ただでさえ、娘の告白に、ライフが減っているのに、師匠のライフが削れていった。
終いには、まず自分と決闘しろ。と言われて、師匠のライフはなくなった…。
「わ、分かった…。ジン、娘をよろしく頼む。」
女将さんの、説得?にしぶしぶ頭を縦に振った。
「はい。幸せにできるよう、頑張りますので、これからもよろしくお願いします。」
「あぁ…任せたぞ…。」
助かった…。無事に終わって、女性陣は喜んでいた。俺も喜んではいたが、師匠に気を使い、表に出す事はなかった。
マリンの父親もそうだったけど、この世界の…いや、元の世界でもか…娘をもつ父親は、どうして、こんな目に会うんだろう。
これは、年頃の娘をもつ父親の宿命なのかもしれないな…。
だけど、娘を持たない俺には、その気持ちまでは、分からない事なんだろうな。
閑話休題。
師匠との話が終わり、昼食を食べて、【魔力感知】を得るために、カンナの…ではなく、師匠の魔術を喰らっていた。
この時ほど、師匠が魔術士系じゃなくて、あと、魔術の威力に個人差がない世界で良かったと思う日はなかった。
個人差がある世界なら、師匠の意味が分からない力が加わって、今より、辛い事になったはずだ。
それでも、ぼこぼこ当ててくるので、かなり、辛いが…。
だが、師匠の心はこれ以上に、傷つき、辛かったはずだ。と、粛々と受けていた。
もちろん、この日だけで、【魔力感知】を覚える事もなく、寿命も50年削れた。
終わった後、師匠とお風呂に入り、夕食を師匠と二人で外食した。
お風呂に入った時は、無言でなかなか厳しかったが、酒が入り、謝ってくれた。
「ジン、すまんな。ちょっとやり過ぎた。これから…カンナのこれからを、よろしく頼む。」
涙を浮かべながら言った。師匠が泣くなんて、初めて見た。
それを見て、カンナを大切にしないといけないな。そう思った。
「はい。でも、これからも、よろしくお願いします。今日は、師匠の事を考えて、我慢しましたけど、今日みたいに、教えるのは勘弁してくださいね。」
「そうだな。カンナが泣くような事がなければ、なにも心配はいらないぞ。だが、あった場合は…まぁ、あまり心配してないがな。」
あった場合は、どうなるの?と思い、カンナを大切にしないとと改めて、強く思った。
それからも、長い間、酒を飲んだ。
途中で、マリンの父親も合流した。酒の席ではなく、しっかり報告したかったが、話の流れで言うよりは、と思いマリンの父親にも報告をした。
マリンの父親は、おめでとう。だが、マリンの事も忘れるなよ。と言われて、それは、あり得ません。と言った。
今日の酒の肴は、父親達の娘自慢から、父親達のいろんな愚痴だった。二人は意気投合していた。俺は、ただ聞いていた。
師匠の「最初に、カンナに手出した奴、見つけだして、ぶっ殺す。」と言った。怖かったのと、マリンの父親の、目線が痛かった。
【ヤスラギ亭】に着くと、マリンとカンナは寝ていた。
少し残念だったが、酒が入っていたし、こんな状態で、俺と初めてするのは、失礼だと思い、良かったとも思った。
※ここから、ハーレムの話になります。ライトだと思いますが、苦手な人は飛ばしてください。
次回の前書きに、なにがあったか、ざっくりと載せます。
これで二章終わりです。
寝て、しばらくすると、違和感があり、目が覚めた。
目を開くと、マリンとカンナが二人で、俺にいろんな事をしてくれていた。まだ、酔っていたが、こんな風にされて、なにもしない方が失礼だと思い、頑張った。
カンナは、ローブで体型が分からなかったが、胸が思ったより大きく、というか、身長は俺より低いのに、マリンより大きく、着痩せするタイプだった。
マリンは、スレンダーで、出るところは、出ている。モデルのようなキレイさだが、カンナは、グラビアアイドルのようなキレイさだった。
幸せな時間だった。
それから、カンナは、まだ未経験だった。
無理させず、終わらせたと思う。
師匠がウザかったので、男と手をつないだ経験はある。という意味で、言ったようだ。
確かに、あの時は、なにをとは、誰も聞いてなかった。ってか、誰も聞けない、聞かなくてもそういう事だと、思うだろう。
あの、タイミングで言ったという事は、確信犯だろ…。
この秘密は、師匠に知られる事なく、墓場に持っていきたいが、今までの事を考えると、無理な気もしていた。
マリン一筋だと思っていたが、一度経験してしまうと、カンナも手放したくなくなった。
俺は、最低な人間なのかもしれないと思った。思ったが、マリンが賛成したとか、この世界では、良いんだ。など、自分の都合の良いように、考えた。
父さんや師匠、マリンの父親は違うのに、その事を忘れて、男の代弁者気取りで、自分が最低ではない。これが男という生き物なんだ。
そう自分を納得させて、ベッドを二人に譲り、床で、眠りについた。
※二章終わりです。
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