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地雷のおかげで生きている男  作者: おむすびさん
まだ知らない常識とカンナ
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僕の楽園3 ~カンナ~

 ご主人様と一緒に朝食を食べていると、お母さんがセクハラをしていた。

 僕は、昨日の事を思いだして、恥ずかしくなって、顔が熱くなった。


 朝食を食べた後、お母さんの鍛練をした。

 とてもキツイ…。確かに鍛練をサボっていたが、ここまで落ちているとは思わなかった。


 その際、ご主人様が僕の為に怒ってくれたのは、嬉しかったが、この時のご主人様の発言は、わざとやってるんじゃないのかと思い、ご主人様の発言を止めた。


 この後、ご主人様が僕と、お母さんの正体がわかり、お母さんに謝っていた。


 この時にお母さんの気持ちと街長としての立場とで、板挟みになっている事を知って、涙が出てきた。

 そして最後にご主人様にお礼を言っているのが聞こえた。


 こんなの僕じゃないと思い、急いで寝たふりをしたが、ご主人様には、気づかれていた。

 なんか、恥ずかしかった。


 そんな事があり、少しは心を入れかえて、3日間鍛練を頑張った。

 お父さんが会いにきていたが、お母さんから、

「ボルドーが甘いから、奴隷になって楽しようと甘い考えになったんだ。私も少し、カンナに甘かったからね。私はこれから厳しくするけど、ボルドー、あんたには無理だろう。だから、カンナがしっかり反省するまで会いに来るんじゃないよ。」


 僕はお母さんに甘く接してもらった記憶がなく、突っ込みたかったが、言っても状況が良くなりそうになく、逆に悪くなりそうだったので口を接ぐんだ。


 お父さんはそう言われてから、会いに来なくなった…訳はなく、お父さんの休みの日は遠くから見守っていた。

 お母さんも気づいていたが、口を出さないなら良いかと思い、黙認していた。


 それで、お母さんから許しが出て、3人で潜る初めての迷宮攻略だった。

 顔には出さないが、実は少し楽しみにしていた。


 鍛練の3日間に2人のスキルや戦い方を、教えてもらっていた。


 ご主人様は、お父さんの特訓に耐えた人で、お父さんの持っている【超感覚】を始め、他にも凄いスキルをもっている。


 お父さんの教えは、正直言って常人には、意味が分からない。言葉の意味は分かるが、それが出来るようになるプロセスをすっ飛ばして、結果だけを教える。そんな言葉で、できるようになるなら、世の中貴族だらけになる。


 あの教えで強くなったのなら、ご主人様はバカな天才だ。


 マリンさんも、お母さんがいうには、天才らしい。

 ソロでレベル3になり、お母さんが少し教えたら、日に日に良くなっていったそうだ。それで今はレベル4になって、レベル5モンスターを倒せば、レベル5になる状態になっている。


 そんな2人の天才に連れられているので、楽しみにしていた。


 そんな気持ちで、迷宮に久しぶりに潜ったのだが、最悪だった。


 僕の2人の評価は、天才から、素人や愚人になった。

 初めに、魔術使う前に声がけしてというお願いで、やる気が失せた。


 なんで今さらそんな事をさせるのかが、分からなかった。

 2人とも、レベル1のひよっこですか?と聞きたくなった。


 わざと言っているのかと思ったが、マリンさんが斜線にいきなり入ってきて、当たりそうになった時、怒られたのは僕だった。


 ふざけるなと言いたかったが、面倒くさくなって、最低限の事だけ言った。


 すると、2人はモンスターに集中出来ずに、戦闘中に僕の方を見る事が多くなってきた。


 そんな攻略していたら、時間ばかりが過ぎていった。


 いい加減面倒くさくなって、これなら避けられるし、万一、当たっても死にはしないだろうと、【ウォーター·ショット】で攻撃すると、それがご主人様に当たった。


 それに、マリンさんが怒って、僕に言いがかりをしてきた。それにご主人様も加わり、素人のくせに口だけは達者だな。と考え、マジでウザかった。


 なので受け答えもテキトーだった。

 どうやって連携とるのか、考えるのはそっちだろ。僕は魔術師として普通にしてるだけだ。


 【魔力感知】あるんだったら、僕が魔術使うの分かるだろ。分かるなら避けれるじゃん。なんで避けないの。と思っていた。


 そんな事考えていると、ご主人様がカンナは攻撃するなと言われて、僕のせいなの?と思ったが、楽できるからいいかと思い、なにも言わずに、後をついていった。


 迷宮から出ると、もう夜中って事と、僕を腫れ物のように扱うので、腹がたったが、なにも言わず、ただふてくされていた。


 【ヤスラギ亭】に着き、夜食を食べて、今夜はお母さんとお風呂に入り、今日の事を愚痴った。すると

「カンナ!あんたの立場は奴隷なんだよ!ジンがそうしろって言うなら、そうしないといけないよ!!」


 確かにその通りだった…。僕は奴隷だった。いつもご主人様が優しいから、勝手に対等だと思っていた。


 でも、

「声がけしてるパーティーは、僕達のレベルの冒険者はいないよ。そんな事してたら、頭うちになっちゃうよ。【魔力感知】持ってるなら、声がけしないで攻略した方が、後々の為には良いよ。」


 お母さんは、悲しい顔になり、


「ジンは【魔力感知】使えないよ…。その事聞いてなかったのかい?聞いてなかったとしても、カンナはちゃんと自分の考えを言ったかい?面倒くさいって思って、言ってないだろ。自分の考えを言わなくても、分かってくれる。なんて都合の良いように思うんじゃないよ。ボルドーや私は親子だから、少しは分かるけど、ジンとマリンは違うだろ。最初にここにいたときも、他の街にいたときも、面倒くさいと思って、自分の考えを、言ってなかったんじゃないのかい?」


 その通りだった。いつも面倒くさくなって、言ってなかった。いつも、お父さんやお母さんは、分かってくれたのにと思っていた。


「私もカンナの気持ちが分かるよ。私も、なんでこのくらいの事、言わないと分からないのって、思っていたからね。それでパーティーがなかなか固定しなくて、それでも私は悪くないと思っていたよ。でもね、私にはボルドーがいた。」


 えっ…お父さん?と思っていると、


「といっても、ボルドーがこの事を教えた訳じゃないよ。ボルドーの言う事、ほぼ意味わかんないだろ?それで、私の考える事はボルドーには分かった。それを見て、私も同類と思われるのが癪で、自分の考えをちゃんと言うようにしたら、パーティーは、どんどん良くなったよ。」


 お父さん、お母さんの事よく見てるからな。


「なんで今まで、こうしなかったんだろうと思ったよ。最初に言った方が、後々の苦労を考えると、そっちの方が良かったよ、私から言うよりは、カンナにそう言ってくれる人。又は私と同じで、自分で気づいてくれる方が良いと思ったんだけど、うまくはいかないね。」


「そうだね…。」


「私も思ってる事、カンナに話してなかったね…。親子でもこうなんだ。赤の他人なんてもっと分からない事だらけだよ。面倒くさいと思って、それを怠ると、どんどんひどい事になるよ。」


「…奴隷になったんだもんね…。」


「そうだね。だが、まだジンの奴隷だ。あの子は甘くて優しいからね。マリンはジンに迷惑かけなければ優しい。でも、今のままだと、ジンがカンナを売ってしまうかもしれない。その後の人生は、今より良くなる可能性より、悪くなる可能性が遥かに大きいよ。」


「そうだよね。僕、頑張るよ。」


「本当に頼むよ。娘が不幸になるところなんて、私でも見たくないからね。」

 涙を浮かべながら訴えてきた。


 あのお母さんに、こんな顔をさせてしまった事に、悔やんで、申し訳ない気持ちに(さいな)まれ、お母さんの胸で泣いてしまった。


 お母さんはなにも言わず、ただ、僕の頭を撫でてくれた。


 僕の心が落ち着き、ご主人様の事を聞いた。

 お母さんは、私から言う事はないと、あまり教えてくれなかったが、ご主人様が【魔力感知】を使えるようになるには、とても大変で、それでも使えるようになるかは微妙。という事だけ教えてくれた。


 それから、寝る準備をしていると、ドアからノックが聞こえた。どうやらご主人様とマリンさんが来たようだった。


 3人で食堂に向かっていった。僕はそれにこっそり、ついていった。


 僕の話をしていた。お母さんは、僕よりの意見を言って、僕を庇っていた。

 あのお母さんに、そんな事させてしまった僕は、なんてダメな娘だろう。


 話が進んでいっても、誰も僕の事を責めなかった。

 それより、自分達が悪いと思っている様子だった。


 確かに、ご主人様もマリンさんも言ってなかったが、面倒くさがって、聞いてなかった僕が悪い。


 話を聞いていて、ご主人様が【魔神経損傷】になっている事を知った。それと、ご主人様が【ハイエルフ】ということも…


 そりゃあ、無理だ。と思った。僕が声がけするしかないと思っていたが、ご主人様は、僕の魔術を受け続ける事を選んだ。


 マリンさんが止めているにも関わらずだ。正気とは思えない。僕は1回でも嫌だ。というより、誰でも嫌だろう。進んで魔術攻撃喰らうなんて…。しかも、約1000発も…。


 そこには、僕にリスクを負わさたくない。という思いが伝わってきた。

 今まで、やる気がなかった奴の為に、魔術を喰らうなんて、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


 そして涙が溢れだして、お礼を言ってご主人様の胸に、とびこんだ。


 するとご主人様が、頭を撫でてくれた。とても気持ち良かった。

 僕の耳もモフッてくれた。恥ずかしかったが嬉しかったので、とても恥ずかしかったけど、そのままでってお願いした。


 ご主人様は、この意味を知らないか、忘れているのだろう。

 だが、これを利用しない手はない。しっかり、お母さんもマリンさんも止めた。なのに続けたって事はそういう事になる。


 僕の楽園になってもらうために、絶対に逃がさないからね。


 ご主人様(楽園)…。

 ※カンナ視点終わりです。


 お読み頂きありがとうございます。

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