表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地雷のおかげで生きている男  作者: おむすびさん
まだ知らない常識とカンナ
34/62

【魔力感知】

 カンナ達の事がわかって3日目、カンナは魔術の鍛練は真面目にやっているらしい。


 らしいと言うのも、俺には魔術の鍛練が、楽をしているようにしか見えないが、女将さんが言っていたので間違いない。


 それで今日、初めてマリンとカンナの2人と一緒に、迷宮に来ていた。


 今日は昼過ぎからの攻略だったので、流す程度で十三階層から攻略していた。

 

「マリンこいつ抑えてるから、他をお願い。カンナもマリンを手伝って。」

 いつものように、モンスターパーティーで1番厄介なモンスターを俺が抑えて、他を先にやっつけてから、抑えていたモンスターをぼこぼこにする。作戦をしようとした。


「はい。」

 マリンが返事をして、カンナは頷くだけだった。


 俺が抑えていると、向こうから

「カンナ!なんで私に攻撃するの!?」


「そこにいるから。」

 えっ!?そこに山があるから、みたいな事?

 そこにマリンがいたから、攻撃した。って事?


 なんで、そんなに仲が悪いんだ?普段は仲良いと思っていたのに、どういうことだ!?


 とりあえず、カンナに自分だけ守ってもらい、俺とマリンでモンスターを倒した。


 ドロップ品を拾った後、

「カンナ!マリンにわざと攻撃を当てたのか!?」


「面倒くさい…」

 そんな事言うカンナにキレそうになったが


「ご主人様、カンナは敵に攻撃しようとして、斜線に私が入ったみたいです。」

 なるほど。そういう意味か。


 マリンはさっきので良くわかったな…。俺の理解力がないのか?…


「カンナ、魔術の斜線に入ったのは私が悪かった。でも攻撃する前に声をかけてって言ったでしょ。どうしてしないの?」

 優しく聞いていた。


「そうだぞ。カンナ、攻撃魔術は俺達に当たると危険だ。それを防ぐための声かけだ。」


「面倒くさい。」

 カンナ?声をかけるのが、面倒くさいだけだよね?俺やマリンがじゃないよね?


 そんな会話がありつつ、攻略していた。


 火力が増えたし、攻略も順調に進むかに見えたが、逆だった。


 連携がうまく行かず、マリンと2人の方が戦いやすかった。カンナと一緒にではなく、カンナの攻撃を防ぎながら攻略しているみたいで、戦いにくかった。


 実際にフレンドリーファイヤも、いくつか喰らいそうになっていた。というか、さっき俺が喰らった。初級風魔術【ウィンド·ショット】を喰らった。スゲーいたかった。


 これが、風以外だったらと思うと、怖い…。


 そして、マリンの顔も怖い。フレンドリーファイヤ喰らったのは、俺なんだけどね…。いや、俺だからか…。


「カンナ!魔術使う前に声をかけてって言ったでしょ。」


「なんか面倒。」

 相変わらずやる気がない…。


「面倒って…それじゃどうやって連携とるの!?」


「それはそっちで考えて。」

 なんだそれは!!と怒りたかったが、カンナに意味ないだろう。と諦めた。


 どうするか…。このままでは、事故が起こりそうだ。とりあえず今日は終わりにしよう。

 師匠や女将さんに相談してみるか…。師匠は自分で考えろって言いそうだな…。


「今日はここまでにしよう。次の転移装置で帰ろう。」


 マリンは怒り足りないのか、しぶしぶといった感じで、カンナはいつものようにやる気ない感じで頷いた。


 カンナに攻撃しないように言って、十四階層を進んでいき十五階層の転移装置で帰った。


 迷宮を出ると、もう夜だった。


 あそこが閉まってるなら、もう夜中か…。いつもなら、もっと攻略進んでいたのに…


 宿屋に向かう途中、反省しながら帰ったが、カンナは参加しない。ふて腐れてるみたいだ。どうしたもんかな?と考えながら、宿屋に着いた。

 お風呂に入って、夜食を食べて、それで寝た。


 目が覚めて、マリンが起きていたので、どうしてか聞くと、カンナの様子が気になると言ったので、一緒に女将さんに相談した。


「それは困ったね。普通の魔術師は詠唱があるから、魔術で攻撃するのは分かるけど、カンナの場合、中級魔術以下だと【詠唱破棄】しちまうからね。」


 そうだった。俺もそうだが、【詠唱破棄】って、パッシブだからな。詠唱できないのか…。俺があまり魔術使わない…というか、ソロの時以外は使ってないから忘れてた。


「魔術を使う前に、言う事は出来ないんですか?」


「それだと、敵にも知らせてしまうからね。魔術士は、あまりヘイトを集めるのを良しとはしないんだよ。だから、普通の魔術士なら守られながら、詠唱するんだ。それで、魔術士が【詠唱破棄】を覚えるならその前に、他のジョブは【魔力感知】覚えるからね。さほど問題ないんだよ。」


 そうか…。そういえば、マリンは覚えてたな…。俺も覚えているけど【魔神経損傷】だから意味ないんだよな…。

 だから、マリンに当てそうになった時、マリンは避けられたのか。


 俺もマリンも魔術師とパーティー組んだ事ないから、うまくいかないのカンナのせいにしてたけど、カンナ全然悪くなかったのか…。そりゃあ、そっちで考えてって言うわ。


「そういえば、俺が【魔神経損傷】の事言ってなかった…。」


「私もご主人様以外と一緒に、パーティー組んでなかった事言ってなかったです。少し盛って話をしたかもしれません。」

 それは俺もだ…。


 盛ってはないが、弱点を話してなかった。少しでも良く見せようとして話してなかった。


 ってか、俺のせいじゃん。俺、お荷物になっているじゃん。


 そうか…。俺は主人公じゃなかったんだな…。マリンをデーブルから救って、カンナを奴隷商店から見つけたりしてたから、なにか勘違いしてたみたいだ。

 今思えば、カンナがいた奴隷商店入ろうって言ったのマリンだった。マリンが主人公か、それか女将さんのおかげで━━。


 そんな意味ない事に悩んでいると、


「1番早いのは、カンナに攻撃する前に、声がけしてもらう方が早いよ。」

 女将さんが言った。


 確かに、カンナに攻撃してもらう前に、言ってもらうのが1番早いけど、俺のせいで、カンナにリスクを負いさせたくないな。カンナを守りながらだと、他にリスクを負うし。


「他に方法って分かりませんよね?」

 女将さんに無茶振りしてみた。


「確実じゃないけどあるよ。」

 なんですと…あるのか…。やっぱり、女将さんが主人公じゃん。


 それはおいといて、

「どういう方法なんですか?」


「そうだね…。ジンの【魔神経損傷】は多分、目と脳の神経が損傷している。だから、記憶喪失や【魔霊眼】が使えないんだ。」

 確かに、キレイだった魔素が見れなくなったり、ラティア様の光で覚えた事を、忘れたんだもんな。


「でも、生活魔術や初級魔術は使えるって事は、他の神経は大丈夫なはずだ。だから、体の神経で魔力を感知させる。」

 なんか嫌な予感がする。


「だいたいの武士系は、モンスターなどの魔術攻撃を喰らって覚えるから、魔術を喰らえば、恐らくは…って感じかね。」

 やっぱり…この嫌な予感は当たるな…。


 あの痛い攻撃を喰らうのか…それで、どのくらい喰らえばいいのかがわからないな…。

「どのくらい喰らえば良いですか?」


「そうだね…言いにくいんだけど、普通は10回も喰らえば覚えるよ。」

 10回か…だが思ったより少ないな。なんで女将さん言いにくいんだ…。…あっ!普通で10回って事は、俺の場合は1000回なのか!


「…女将さん、普通で10回って事は?」


「ジンの場合は、それの100倍だろうね…。」

 ですよねー。


 あれを1000回か…それで覚えられない可能性がある…。確率はどれくらいだろう。ダメだ。確率を聞いてもどうしようもない。例え、99%の確率で覚えるとしても、俺なら1%を引いてしまう気がする。


「ご主人様危険です。カンナに声がけしてもらいましょう。」


 マリンはそう言うけど…そうだな。喰らいまくるか…。カンナに声がけさせても、余計なリスクを負うだけになるし、そもそもカンナ声がけしそうにないし、その声がけをどうにかしないと、いけない時がいつか来る気がするから、挑戦しよう。


「女将さん、頑張ります。魔術は、カンナに頼んだらいいですか?」


「そうだね…。本当にやるのかい?」

 なんか引いているんだが…


 あんたが言ったんだろう!と言いたいが言える訳もなく、

「はい。結局は俺のせいなんだし、その俺だけ頑張れば良いだけなんで…一応言っときますけど、俺はMじゃないですからね!!」


 マリンの顔が赤くなった。あの日の事を思いだしたんだろう。


「それは、わかってるよ。…ありがとね。」

 良かった。またマリンに鞭持ってこられたら、困ってしまうからな。誤解は最初だけで十分だ。

 なんか言ってたけど、まさかまだ疑ってるのか?だが━━。


 そんな事考えていると、カンナが涙を浮かべ立っていた。すると、

「ご主人様ありがとう。」


 なぜかお礼を言った後、カンナが急に俺に抱きついていた。


 カンナの頭を撫でた。カンナの耳は気持ち良かった。

 すると、カンナがビクッとしたので

「ごめん。」


「ジンそれは…」「ご主人様…」

 謝って手を離そうとする時に、マリンと女将さんが驚いて、なにか言おうとしたが、

「そのまま撫でて。」

 カンナが言ったので、撫でた。


 やはり女心は謎だ…など考えながら、これなら面倒くさがらずに付き合ってくれるか…と思っていた。

 カンナの気の済むまで頭を撫でつつ耳もモフッていた。


 カンナの耳は気持ち良かった。


 この後、大変になるとは思わずに…。

 お読み頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ