僕の楽園 ~カンナ~
僕の名前はカンナ。
お母さんの名前はアンナ、お父さんはボルドーだ。
普通の人は、お父さんから紹介するが、ウチはお母さんが先だ。その理由は聞かなくても分かるだろう。
僕は動く事が嫌いだ。
なにをしても、優秀な【魔導師】のお母さんと優秀な【上級剣士】のお父さん比べられながら暮らしていた。
僕はどちらの才能もあったみたいで、固有スキルを2つあった。
魔術を覚えるとその分、楽ができる。だから、魔術はどんどん成長していった。
だが、お父さんと比べるのは、勘弁してほしい。
お父さんは、娘の私が言うのもなんだけどイカれてる。あんなのと一緒にされては、体がいくつあっても足りない。
だから僕は、神殿で【魔師】になった。
なったのだが、パーティーが見つからない。組んでもすぐに解散する。
僕のお母さんから引き継いだ、【九狐の血】に【詠唱破棄】があったからだ。
僕の年代で、【魔力感知】を覚えてる武士系の人がいなかった。それで一緒に攻略しても、うまくいかなかった。
いつも、声がけしてから魔術を撃ってと言われる。
それを僕は、面倒くさいと言って断っていた。
一番の理由は、面倒くさかったからだが、そもそも能力が足りないのはそっちなのに、なんで僕が、リスクを負わないといけないんだと思っている。
たまにお父さんと一緒に攻略するが、そんな事しなくても大丈夫だった。それなのに…と思っているが、それを言うのも面倒くさいのでパーティーを組む事が出来なくなった。
あまり動きたくはないが、お父さんが迷宮攻略に誘うので、普通の人族より経験値を貯めないといけないが、レベルが周りより早く、レベル3になった。
周りからは、セコイとかうるさかったが、僕はなりたくてなったんじゃない。そう思っていたが、面倒くさくなって、なにも言わずにいた。
レベル3になると、迷宮攻略に魅力を感じなくなり、お父さんの誘いから【変装】や【偽装】をして逃げていた。
それでもお父さんは、見つけだすので捕まり、迷宮攻略に連れていかれていた。迷宮攻略より、お父さんに見つからない方法を探していた。
お母さんも最初は、パーティーを組むのが難しかったので、僕の気持ちも、娘を出来るだけ、強くしようとするお父さんの気持ちも、分かっていたので、特になにも言わなかった。
だけど、魔術の鍛練はしっかりやらされた。
お父さんに見つからない方法をずっと探していたので、【偽装】が【真偽装】になった頃に、私はレベル4になった。
ちょうどその頃に、両親のパーティーが迷宮攻略した。
その後に、いろんな事があって、怒ったお父さんが腐った街長に勝って、お母さんが街長になった。
そのお祝いに、珍しくお母さんが僕に上級火魔術の魔術書をくれた。
その時はまだ使えかったから、頑張れという意味も含まれていたんだろう。
お母さんが街長になってから、面倒臭い事になった。
だけど、これでなにもしなくても、生きていけるとも思った。
しかし、お母さんがそれを許す訳もなく、1ヶ月くらいで【ラディス】に行かされた。
その時に、お母さんから、【真偽装】と【変装】を解くな。解いたら、面倒くさくなる。と注意された。
面倒臭いのは、嫌いなので、その言い付けは守ろうと思った。
無理矢理連れて行かれたが、ここでなら、という思いもあった。
だが【ラディス】でも、同年代では【アナライ】と同じように言われ、【変装】してレベルが同じの、上の年代の強い人達と組んでも、途中でバレたりしてうまくいかなかった。
【ラディス】に着て半月間で、【真偽装】がたまにバレるし、ここではダメだと思い【バフク】に行った。
この時に上級火魔術書が、使えたので使った。
【バフク】は脳筋の集まりで、魔術師を下に見る感じがあり、全然合わなかった。しかも、僕をあっちの目的として見る感じが気持ち悪かった。
ここで、迷宮攻略の情熱がなくなった。
魔術師を下に見るが、楽させてもらえるので、その事だけは良かった。あっちの問題は、【変装】と【真偽装】でブ男になれば解決した。
楽だったがずっと下に見られると、やる気が全く出ず、楽に生活できる方法だけを考えていた。
ある日、奴隷の存在に気づいた。
【バフク】に来てあと少しで2年なのに、僕の偽装に気づけなかったんだ。奴隷になっても大丈夫だろうと思った。
しかも僕は身売りで犯罪者でもないから、特に審査などはないだろうし、僕を買うのは、奴隷商人だ。商売で損するのは、奴隷商人の責任なので、犯罪者にもならないはずだ。
最初は僕サイズの男に【変装】して、ステータスは【真偽装】でレベル1のステータスにしてから、身売りした。
カンナって名前は、どちらの性別でもつける名前だったので、男に変装した。
女だと、万が一がある。
それで、1ヶ月の奴隷教育を受けている間に、頭を汚くハゲさせて、終わる頃に太った【変装】をした。
その時の奴隷商人の顔は、面白かった。
1ヶ月でここまでひどくなるとは、思わなかったのだろう。食事係や教育係にキレていた。
僕にも毎日のように、いろいろ文句を言うが、どれも僕に問題がない、文句を言っていた。文句を言われる時だけ、面倒くさかっただけだ。
例えば、売れなくていいのか?やお客様の前に出さないぞ、食事の量を減らす。と言っていた。
はじめの2つは望むところで、食事の量は別に生きていけるなら、減らしてもらっても問題ない。というか、お母さんの料理に比べるとゴミだったので、全然問題なかった。
客の前に出る事もあったが、第一印象で全員、僕を選ばない。見た目も悪いし、能力も低い、さらにやる気もない。そんな奴、誰も選ばなかった。
なんかヤバいと思った時は、病気の【変装】をして、客の前に出なかった。お父さんから受け継いだ【真感覚】のおかげで、バレる客に会う事もなかったんだと思う。
僕を放逐する事はできたが、丸々赤字だったので、奴隷商人の丸損だし、例え放逐しても、顔を変えてまたやるつもりだった。
そんな日々が2年以上の間、過ぎていった頃、また呼ばれた。
この頃になると、奴隷商人も僕にはなにも言わずに、ただの数会わせや、僕と比較して他の奴隷を、買ってもらう方法をとっていた。
転んでもタダで起きない商人だ。一応、僕の使い方を見つけていた。
今回の客は、見た瞬間にビビっと来た。が、カッコいい男だっので、僕にも女としての、なにかが残っていたのかとか、【翻訳ピアス】をしていたのを、ビックリしたからだと思い、やる気のない感じでいた。
見るからに、奴隷の女の方は同格だし、男の方は格下だろう。
これもお父さんに感謝する。なんとなく、分かるのだ。
いつものように、早く終わらないかなぁと思っていた。
思っていたが、途中でなんでだ。と思った。
いつもは大丈夫だろうと、なんとなく分かるのだが、今回それがない。なんかヤバいのか?と思っていると
「すみません。カンナと話したいんですけど。」
マジか!?なんで僕なんだ。他にいるだろう。と思った。
僕だけでなく、言った男以外、この場にいる人全員驚いていた。
なんでだ!?ちゃんと、【変装】も【真偽装】も働いている。向こうが格上だったのか?【真偽装】がハズレるなんて…━━。
いろいろ考えているうちに、奴隷商人達が出ていった。
すると、
「それで、カンナ。なんで偽装してる?偽装だけでなく、変装もしてるだろう。」
終わった。僕の楽園が…なんでバレたんだ!?と考えて、
バレる可能性は1つしかない。
「くそっ!格上で【真鑑定】でも、持ってたのか…。これで、僕の楽園が…。」
最後の抵抗で驚かせてやろうと、【真偽装】と【変装】を解いた。
すると、女の方はビックリしていたが、男の方は反応が薄かった。なぜだ!?ブ男から、自分でいうのもなんだが、可愛い女の子になったのに…。確かに、そっちの女よりは…と考えていると、
「いや、迷宮攻略するつもりないだろ。ないなら買わないよ。」
と言われて、マジか!?と思い、
「マジっ!だったらやる気ないから、買わない方が良いよ。」
と言った。
そして、買われないで良かったと、思ったのに、奴隷の女がいきなり出てきて、僕と2人きりで話したいと言ってきた。
奴隷が主人に内緒の話か?そんなの無理だろうと思った。
だが、良いと言った。しかも女は、主人に聞かれないように、釘まで刺して…
と驚いているうちに、ドア側へ連れていかれた。
「初めまして。私の名前はマリン。あなたは、師匠いえ、【アナライ】の街長とボルドー様の娘よね?」
ウソでしょ?お母さんが弟子をとったの?見るからに、【剣士】なのに…お父さんならまだ分かる…いや、お父さんの弟子になれる人なんていないわ…
「お母さんの弟子なんですか?それとマリンさんは【魔術師】なんですか?」
「いえ、私は【【上級剣士】】よ。まだ成り立てだけど。でも、ご主人様がボルドー様の弟子になった頃、アンナ様の弟子にしてもらえたの。」
うわーっ!いたよ!お父さんの弟子…。
お母さんの名前知ってるって事は、本当みたいだな…。
「私に聞きたい事ってなんですか?」
「もう聞いたからいいの。でもスッキリしたわ。師匠の姿、どれが本当の姿か、分からなかったんだ。でもカンナのおかげで分かったわ。やっぱり、あのキレイな狐人の女性だったのね。」
それマジか…。お母さん姿バレるの嫌うからな…それで僕のせいでってなるのか…ヤバいよ【アナライ】に帰りたくない。
だが希望はある。
「この街にはどれくらい、いるんですか?」
長く滞在するなら、行き先を【アナライ】から変えれるかもしれない。
なんて言うのか、ドキドキしながら待っていた。
※まだ続きます。
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