甘さと優しさ
【バフク】を出て【アナライ】に帰ってきた。
道中、カンナは凄かった。
カンナの怠け具合がだ。カナンは歩くより、魔術使って進んでいた。
そりゃあ、あんなステータスになるわ。と思うくらい、なんでも魔術で解決していた。
魔術使わないのは、ご飯を食べる時と寝る時くらいだった。
街にいる時は、魔術使った方が面倒が増えるので、【変装】と【真偽装】だけ使って、普通に歩いていたそうだ。
この方法が魔術士としては、正解らしい。MP INTばかり使った方が魔術士としては大成するそうだ。
俺とマリンでは、真偽がわからないので、 好きなようにさせていた。
警戒もそこまでしなかった為、【バフク】を出て、2日目の夜に【アナライ】に着いた。
門に師匠はいなかった。帰ってきた事を報告したかったので、少し残念だった。
そんな気持ちを感じとったのか、マリンが
「ご主人様、私はカンナと一緒に女将さんに報告するので、ボルドー様に報告しにいったらどうですか?」
そんなマリンの気遣いに嬉しく思ったが、
「場所がわからないからな…良いよ。一緒に女将さんのところへ行こう。」
「そうだよね。ご主人様も一緒に行こう。」
喋る事さえしたくないカンナが珍しく発言した。
「ご主人様、ボルドー様の今日の仕事は迷宮前ですよ。」
「そうなんだ。良く分かったね。それじゃあ、師匠に報告して来るよ。」
行こうとしたら、
「待ってください。私もご主人様と一緒にいきます。行かせてください。」
カンナが俺に着いていきたいとお願いしてきた。急にどうしたんだ?
俺になつくようなイベントあったか?と考えていたら、
「ダメです。カンナは私と一緒に行きます。女将さんに報告しに行きましょう。…」
行きましょうの後に、カンナにこそこそ話をしていた。
カンナの顔は青くなりながら、首を縦に振っていた。
なんて言ったんだ?
女性同士なにかあるのかもなと思い、2人に見送られながら、師匠に報告しに行った。
迷宮前に師匠がいたので、なんでマリンは知ってるんだ?と思いながら、
「師匠。ただいま帰りました。」
報告した。
「おぉっ。無事に帰ってきたか。マリンはどうした?」
「マリンは先に女将さんのところへ行きました。師匠はあれから大丈夫だったんですか?」
その後、街長への愚痴を聞かされた。
「俺の話はこれくらいで良い。それで【バフク】はどうだった?目的は果たしたのか?」
「とりあえず、俺もマリンも【身体強化】にしました。それと、奴隷を1人買いました。【バフク】の奴隷商店に良い魔術士がいたので…。」
「そうか。それじゃあ今度の鍛練の時にでも紹介してくれ。」
やっぱり言うと思った。
だが、師匠とカンナお互いの為に注意しておこう。
「ただ、師匠は嫌いなタイプかもしれません。その子、なんにしてもやる気ないんですよ。だから、鍛練も一緒にしないと思います。それに、魔術士だと俺達と鍛練の仕方が違うものって、その子は言ってましたよ。」
「そうか。確かに鍛練の仕方は違うが、お前なめられてないか?優しいことは良い事だが、お前の場合、嫌われないようにとか自分の為に優しくしてないか。そういう事は優しさではないぞ。自分への甘えだ。」
「それは分かっています。」
「いや、分かってない。お前は冒険者だ。命の危険が大きい。そんな時にお前が注意しなかったおかげで、取り返しがきかなくなったらどうする。」
確かにそうだ。だが父さんの教育で、女性に厳しくする事ができないし、わからないんだよな…。
マリンには悪いけど、カンナの事は任せよう。と諦めた。
「俺には難しいので、マリンにお願いします。」
「そうだな。お前よりはしっかりできるだろう。」
「さすがよボルドー。よく分かってくれてる。」
マリンとカンナ、そして街長がいた。
マリンと街長は誇らしげにしているが、カンナは師匠に涙を浮かべ、メンチきっていた。
なぜだ?
「どうして、かん…」
士匠がなにか言おうとしたが、街長がボディブローをして、喋る事ができなかった。うちひしがれている師匠に耳打ちしていた。
師匠はただ首を縦に振っていた。
師匠の愚痴をどこかで聞いてイラついたのかもな。
師匠、南無…
「これから、この嬢ちゃんはマリンに全て任せる。あんた達もそれで良いわね。」
俺はそうしてくれないと困るが、マリンの意思も聞かないと
「マリンに負担や迷惑かけるけど、お願いしても良いかな?」
「はい。私もですけど女将さんも手伝ってくれるみたいなので、そこまで負担じゃないですよ。」
えっ…なんて言った?
「はっ!…あの女将さんが?…変なもん食ったのか?雨でも槍でも降ってきそうだ。あはは!…えっ」
笑ったところでアラームが鳴った。
周りを見渡すと、街長以外の周りの顔が青くなっていた。街長は微笑んでいた。目は笑ってなかったが…
街長も女将さんのシンパなのかもな…気をつけよう。
「なんだかんだで女将さんも世話好きですからね。でも悪口は言わない方が良いですよ。どこに目や耳があるか、わかりませんからね。」
「街長、悪口なんてとんでもない。女将さんの良いところも沢山知ってます。あれは俺の不器用な愛情表現ですよ。」
アラームが弱くなった。助かったのか?
「そうだったんですね。今日のところはそれで納得しましょう。次はわかりませんが…。」
街長、どんだけ女将さんの事が好きなんた。自分の事のように怒っていたぞ
「街長、女将さんの事大好きなんですね。自分の事のように、怒るなんて…」
「そうなんです。私、女将さんの事大好きなんです。自分の好きな人をバカにされる事は、自分に言われるより腹がたちます。あなたもそうでしょう?」
確かにそうだ。
俺の事を言われるより、マリンや両親の事を言われる方が我慢できない。
「そうですね。申し訳ありませんでした。」
「素直なところは関心します。」
そんな一幕があり、女性3人でなにやら話していた。
2人は楽しそうに、1人は目が死んだまま話していた。
助けてあげたかったが、頼んだのは俺なのに、それで助けるのは違うので、心のなかで謝った。
師匠も気の毒そうに、その1人を見ていた。
聞こえる内容はイジメとかではなく、生活習慣の事で当たり前の事だった。
話し合いが終わり、士匠達に一礼して宿屋に向かった。
戻る前に、女将さんの料理大好きなマリンが珍しく、外で食べたいと言ったので外で食べた。
カンナは目が遠くをみていた。なにも喋らずにいた。
宿屋に行く道中は、ずっとマリンとカンナは、腕を組んで仲良さそう?に歩いていた。
カンナは痛そうだったが、ステータスの違いの弊害かな?と思った。
宿屋に着いた。
「女将さん。ただいま。元気にしてた?」
「あぁ」
相変わらず無愛想だな…機嫌は若干良いかな?マリンが帰ってきて嬉しいのかな。なぜか俺に対してはムカついている?
まさか、街長がチクったのか…。ここは下手に出よう。
「女将さんもカンナの世話をしてくれるみたいで、よろしくお願いいたします。」
「良いよ。私も魔術士のはしくれだからね。教えてやるよ。」
マジかよ。かんて…やめよ。その気は封印した。
「本当ですか?魔術士の事分からなかったので、困っていたんですよ。訓練お願いします。」
「任せときな。それと、カンナと私が一緒に寝るよ。まだ若いからね。━━━。」
このセクハラ女将が!マリンの顔が真っ赤になったじゃないか!!
だがこれは素直に感謝だな。カンナを信用できるまで、諦めていたからな。女将さんありがとう。
マリンがカンナと一緒にお風呂に入るそうなので、一足先にお風呂に入り、ベッドでマリンを待っていた。
久しぶりと言っても3日ぶりだが…甘い夜を過たっぷり過ごして眠りについた。
お読み頂きありがとうございます。




