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不幸のお届け物  作者: 月海みやび


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3/8

3話

6月30日(火)午後2時

田中宅


一通りの家事が終わり、ホッと息をつく。

時計を見ると、息子が帰ってくるまで30分程あった。

少しのんびりしようと思った時、電話が鳴り響く。


「はい、田中です」

「⋯⋯⋯」

「⋯もしもし?」

「⋯⋯⋯」


再び声を掛けようとした時、電話が切れた。


「⋯何だったの⋯?」


少し気味の悪さを感じつつ、ソファに腰掛ける。


「ママ〜!ただいま〜!」

「悠斗、おかえり!手洗いうがいしてね」

「は〜い!」


息子とのいつものやり取りに、安堵の息が漏れる。


「ママ!今日もね、お兄ちゃんからアメもらった!」

「えっ⋯?お兄ちゃんって⋯」

「この前アメくれたお兄ちゃん!」

「⋯どこで?」

「バスおりたとこ!」

「⋯そう、良かったわね⋯」


無言電話で過敏になっているのか、ざわつく胸を押さえる。


きっと、たまたま会っただけよね⋯


そう、思い込もうとした時⋯

再び電話が鳴り響いた。


「っ⋯はい、田中です⋯」

「⋯⋯⋯」

「⋯あの⋯?」


声を掛けた瞬間、電話が切れる。


「ママ⋯?どうしたの⋯?」

「っ⋯何でもない⋯間違いだったみたい」


無理やり笑顔を作る。


「⋯おやつ食べる?」

「たべる!」


幸せそうにおやつを頬張る息子を見て、思わず笑みがこぼれた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


同日午後8時


家族で夕食を囲む。

何気ない会話をしながら笑い合う、幸せな時間⋯


その幸せを邪魔するように、再び電話が鳴り響く。


「っ⋯はい⋯」

「あっ、真由美さん?」

「⋯お義母さん!?」


優しいお義母さんの声に、ホッとする。


⋯無言電話なんて、そんなに続くわけない。

きっと、たまたまイタズラされただけ⋯


自分に言い聞かせるように、心の中で呟いた。

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