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不幸のお届け物  作者: 月海みやび


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2/9

2話

6月28日(日)午後1時

朝日モール


「あ〜、お腹いっぱい!」

「ボクも!」


幸せそうな子供達を見つめ、旦那と微笑み合う。


「帰る前に、お手洗い行ってきていい?」

「⋯俺も行きたかったんだけど⋯」

「二人とも、行ってきたら?悠斗とここで待ってるから!」


椅子に座る娘に続き、息子も隣に座る。


「じゃあ、すぐに戻るから⋯ここから動くんじゃないぞ?」

「美咲⋯悠斗をお願いね」

「任せて!」

「いってらっしゃ〜い」


旦那と二人、お手洗いへと向かう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


お父さんとお母さんを見送り、スマホを弄る。

何が楽しいのか、弟は隣でニコニコしながら辺りを見回していた。


「あっ⋯!こんにちは!」


見た事もない男性が、笑顔で弟の目の前にしゃがみ込む。


「これ、良かったらどうぞ」

「ありがとう!」


差し出された飴を、笑顔で受け取る弟に慌てて声を掛けた。


「こら⋯!知らない人から、貰っちゃダメでしょ!?」

「え〜!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一足先に子供達の元へ向かっていると、知らない男性が息子の手を握っていた。


「っ⋯!あの⋯!子供達に何か?」

「ああ⋯いえ、飴をあげただけですよ」

「飴⋯?」


息子の手元にある飴を見て、思わずため息を漏らす。


「悠斗、ダメだろ?」

「え〜!やだ、アメ欲しい!」

「飴なら、買ってあげるから⋯!」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


お手洗いから戻り、目を丸くする。


「⋯長谷川さん?」

「あっ⋯!先日はどうも⋯」

「いえ、こちらこそ⋯」

「⋯真由美、知り合い?」

「ほら、この前⋯美咲の荷物を届けてくれた⋯」

「えっ⋯!?あれ、この人だったの!?」

「そうとは知らず、すみません⋯!」

「いえ⋯気にしないで下さい⋯じゃあ、僕はこれで失礼しますね」


立ち去る長谷川さんを見送る。


「悠斗、この前会ったんじゃないの?」

「う〜ん⋯覚えてない⋯」

「一瞬だったから、仕方ないわよ」

「そうだ!ママ!アメもらった!」

「良かったわね」


何気ない家族との会話に、幸せを感じていた。

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