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不幸のお届け物  作者: 月海みやび


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10/12

10話

8月15日(土)午後8時

田中宅


「僕、明日プール行きたい!」

「っ⋯プール⋯約束してたものね⋯」


送られてきた水着を思い出し、顔が強張る。


「⋯悠斗、プールより遊園地が良いんじゃない?」

「遊園地!行きたい!」

「じゃあ、明日は遊園地行くか!」

「やった〜!」


気遣ってくれる娘に感謝し、ホッと肩を下ろした。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーー


8月16日(日)午後2時

白峰遊園地


「僕、次あれ乗りたい!」

「ねぇ⋯少し休憩しない?」

「え〜!乗りたい〜!」

「じゃあ、悠斗はパパと一緒に行くか!」

「そうね、美咲は私と一緒に休憩してようか?」

「うん!パパと行く!」

「少し休憩したら、ショップ見たいんだけど⋯」

「もちろん、じゃあ⋯3時間後に出口で待ち合わせましょうか?」

「わかった、じゃあ3時間後に⋯行こうか、悠斗」


笑顔で手を繋ぐ旦那と息子を見送り、娘に微笑む。


「何か食べる?」

「クレープ食べたい!」


並んでベンチに座り、クレープを頬張った。


「⋯お母さん、大丈夫?」

「大丈夫よ⋯私には、美咲達が居てくれるもの⋯」


クレープを食べ終わり、ショップを見て回る。


「これ可愛い!お母さん、色違いで買わない?」

「あら、良いわね⋯」

『迷子のお知らせを致します。5歳の田中悠斗くんをお預かりしております。保護者の方は、迷子センターまでお越しください。繰り返します⋯』


園内放送を聞き、思わず娘と顔を見合わせる。


急いで迷子センターへ駆け込んだ。


「っ⋯あの⋯!田中悠斗の母です⋯!」

「えっ⋯?あの⋯先程、お父様が迎えに来られましたけど⋯」

「⋯そう、ですか⋯ありがとうございます」


ベンチに座り、旦那に電話を掛ける。


「⋯出ない⋯」

「⋯お父さん、何してんの!?⋯水着の事だって⋯!イタズラが重なっただけとか、軽く考えて⋯」

「美咲、やめなさい⋯」

「っ⋯でも⋯!」

「⋯とりあえず、待ち合わせ場所に行ってみましょう?」


約束の時間より早く、待ち合わせ場所へと向かった。

辺りを見回しても、姿は見えない。


「⋯最悪⋯」


不機嫌そうに呟く娘と、ベンチに座って待つ。


時間が経てば経つほど、胸の中のモヤモヤが膨らんでいった。

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