谷くんを追って②
校舎の窓から見た時、谷くんたちは校門へ向かっている様子だった。
邪魔が入らない学校の外へと谷くんを連れて行く気だ。
そうはさせないと、傘をさしながらも必死に水が敷きしめらているアスファルトをぴちゃぴちゃと音を立てながら走る。
校門を出たところで立ち止まり、辺りを見渡すと学校を出たところの左の道沿いに谷くんたちの姿が小さく見えた。
なんとか見失わずに済んだと安堵するや否や、すぐに追いつこうと再び駆け出す。
谷くんたちが角を曲がり姿が見えなくなったので、不安を抱くも、角を曲がるとすぐに姿を捉えることが出来た。
こっちは走っているにも関わらず、なかなか掴まらない…おそらく歩くスピードを速めているようだ。
更にくねくねと細い道に入っては、道を曲がっていく。
人気のない場所へと谷くんを連れて行こうとしているのだろうか…?
雨さえ降っていなかったら、もっと早く追いつけるのにと、傘を閉じて走ろうかと思った時、谷くんたちが歩みを止めた。
チャンスだと私もその人気の少なそうな建物に囲まれた小さなスペースへと急ぐ。
「アンタたち!谷くんに一体、何をする気よ!?」
近づいた矢先、私はそうどっちがどっちかが分からない平間と野口の二人に向かって叫んだ。
「えっ、沖田さん!?」
すると、私の声に気が付いた谷くんが驚きの声をあげる。
…何かがおかしいとすぐに感じた。
こっちを振り向いた野口と平間の二人の顔から驚きがなかったから…
まるで、私が後を追いかけていたことを知っていたように…
私はすぐに傘を閉じて、すぐにネームバンドで傘を畳んで、竹刀のように構えて二人を警戒する。
「…谷くんを離しなさい。さもないと容赦しないわよ!」
一気に集中力をあげる。
その時、谷くんの表情が再度何か驚いたものに変わった。
「沖田さん後ろ!」
「えっ…?」
谷くんの声に後ろを振り返る。
しかし、後ろを振り返ることは出来なかった…
その途中で身体中に激しい激痛が襲ったのだ。
自分の身体が崩れ落ちていくのを感じた。
自身の重みで激しく地面に叩きつけられる。
濡れた地面に顔を濡らしながら、なんとか見上げるとそこには黒いパーカのフードを被った男が見えた。
そして、手に握られた物も…
薄れゆく意識の中で、私はおそらく背後からスタンガンでこの男に襲われたのだと分かった。




