長くて大変な一日
翌日は朝から雨が降っていた。
なんだか、この雨が私の中に憂鬱を誘う。
昨日のコウの様子が気になっていたけど、朝に私を迎えに来てくれたコウがいつも通りだったので、私もいつも通りの私でコウに接した。
大を迎えに行ってもそれは変わらなかった。
いつもと変わらない私たちに安堵感を抱く。
「おはよう!」
朝から安心を抱いた私は教室に着いた時、元気よく挨拶をした。
すると、教室にいたクラスメイトたちが少し驚いた表情を見せるも、次々と挨拶を交わしてくれる。
勿論、渚と誠子も。
「…どうしたの?なんだか今日は朝からテンション高いね?さては何にかいいことでもあったなぁ?」
渚がいやらしい表情を浮かべて私の元にやってくる。
「無いわよ。至って普通。…どちらかといえばこの雨だから少しテンション下がってるわよ」
「そうなの?でも、剣道部は雨でも関係ないでしょ?」
いつの間にか隣まで来ていた誠子が私に訊いた。
「…うん、そうなんだけどさ。でも、昔から雨はいい思い出がなくてさ…」
そう言って、教室の窓越しから暗い空を見上げた。
…そうだ。
私は昔から雨が嫌いだ。
お母さんが亡くなった日も葬式の日も雨だった。
それから、嫌な出来事があった時は大抵雨だった記憶がある。
…だから、雨はどうしてもいいイメージが抱けない。
今日は一日嫌なことが起こらないことを祈る。
でも、私の願いも虚しく、今日は長くて大変な一日となるのだった…




