近藤くんのことが好き?①
季節は春から夏に変わろうとしていた。
しかし、夏の前に梅雨が訪れる。
五月がもうすぐ終わる日の放課後、私は雨が降る中、屋根がついている渡り廊下を歩いていた。
「沖田さんっ」
呼ばれて振り返ると、そこには斎藤さんが立っていた。
「あれ?大は一緒じゃないの?」
斎藤さんと一緒のクラス大は一緒によく部活へと向かっているので、てっきり今日も一緒だと思っていた。
隣のクラスの私もタイミングが合うときは一緒に向かう。
…でも、たまにわざと気を利かせてズラしている時もある。
「近藤くんはクラスの男子とまだ話してたから、今日は先に行ってるねって言ってきたの」
斎藤さんが私の隣に並んで笑顔を見せる。
その表情にとても女の子らしい可愛いさがあった。
女の私でもキュンとしてしまうくらいだ…大が惹かれるのも無理はない。
しかも、性格も純粋で優しい。
最近、大にはこんな女の子がお似合いだなと感じてきた。
だから、幼馴染が離れていくのは少し寂しいけれど、二人が上手くいくといいなと思う。
まあ、まだ斎藤さんが大を好きかどうかは知らないけれど…
「そっかぁ、なら一緒に行こ」
私も斎藤さんに笑顔を見せる。
「うん。…実は沖田さんに聞きたいことがあったの」
と斎藤さんが若干俯き加減にもじもじとする。
また、可愛い仕草を…!
思わず抱きしめたくなる。
その衝動を抑えながら、なんとか平然を装う。
「聞きたいことって何?」
「…えっと…その…」
更にもじもじする斎藤さんが可愛すぎて仕方がない。
「…大丈夫だよ。遠慮なく聞いて」
そう念を押すと斎藤さんは少し安堵した表情を浮かべた。
「…沖田さんは近藤くんのことが好き?」
斎藤さんの言葉に一瞬、固まってしまうのを堪える。
「…うん。好きだよ」
私はサラリと答える。
「えっ…」
「…ただし、幼馴染としてね」
と笑顔で付け加える。
「…そっかぁ」
斎藤さんの安堵の表情に先程抱いたの疑問の答えに辿り着く。
私が少し意地悪な言い方をした時、間違えなく彼女の表情が一瞬固まった。
斎藤さんは大のことが好きだ…
前にコウが言っていた通りに…
「…斎藤さんは大のことが好きなの?異性として?」
「…分からない。…でも、近藤くんといると凄く楽しくて、もっと近くにいたいと思ってしまう…きっと、これは近藤くんが好きだということなのかなって最近になって感じるの」




