条件はインターハイ優勝
原田とデートに行った翌々週の日曜日、関東大会予選の個人戦が行われた。
女子は残念ながら参加出来なかったが、みんなで懸命に応援に力を注いだ。
今回、大とコウはレギュラーには選ばれず、代わりにインターハイの個人戦のメンバーに選ばれた。
なので、今日は三年生ばかりのメンバー構成だ。
正直、実力的には大とコウは抜けてはいるが、やはり今まで頑張ってきた三年生を差し置いて関東大会とインターハイの個人戦の両方に出ることはどうかと大とコウが山崎先輩に話して決めたことだった。
だから、大とコウも私と同じく応援に回っていたのだ。
しかし、新撰高校のメンバーが本戦に出場することは出来なかった。
唯一、山崎先輩が健闘したが、準々決勝で海援高校の坂本に負けてしまったのだ。
しかも、あの山崎先輩がストレート負けで…
海援高校一年の坂本 昇。
中学生の頃の大とコウの最大のライバルだ。
まだコウは坂本に勝ったことは無いが、大は何度か坂本に勝っている。
要は相性の問題なのだろう。
実際、大はコウに3回に一度の割合でしか勝てないのだから…
しかし、坂本 昇は中学の時より強くなっているように感じた。
あの山崎先輩がまともに剣道をさせてもらえなかったくらいだ…
勿論、大とコウも前よりも強くなっている。
…でも、坂本の強さはそれを凌ぐものだった。
おそらく大とコウも今日の試合でそれは感じた筈だ。
個人戦で全国に進めるのは二人だけ…
坂本をインターハイ予選で破らなければ、全国は難しい。
というか、私は自分のことを心配しなければならない…
女子の方も覗いたが、なかなかレベルの高いものだった。
私が出れていて果たしてどこまでいけただろうか…?
とはいえ、正直なところ伊東さんの方が迫力はあったように感じる。
彼女ならここに入っても充分に戦える筈だ。
下手したら優勝もあり得るだろう。
前に相馬先輩が伊東さんを剣道部に誘った時に彼女が言ったことを思い出す。
「沖田さんがインターハイで優勝したら、考えて差し上げてもいいですわよ」
…インターハイ優勝。
なかなかハードルの高い条件を出してくる。
インターハイ出場ではなく優勝なのだから…
まあ、でもあくまで目標はそこだ。
今日、試合出来ない鬱憤を必ずインターハイの予選で晴らしてやるんだから…!
私は今日の試合を見て強くそう誓ったのだ。




