原田とデート④
「…私も同意見。正直、今は原田の気持ちに応えられない…応える自信がない。でも、原田は良いやつだし…突き放したくはないし…だから、今は部活仲間でいたいって言ってくれるのは助かるし嬉しい。ありがと」
私も原田に応えるように原田の方を見て話した。
そうこうしている間に観覧車は下へと向かうところに来てしまう。
もしかしたら、原田が観覧車を選んだ理由はこの話をするため?
「よし!これからもよろしくな」
原田が笑みを浮かべて、手を差し出す。
私は偏見を持たずにその手を取って握手する。
「よろしくね」
その手を掴んだ時、やっぱり男子だなと思う手の大きさに少し嫉妬する。
そして、私たちは観覧車から降りた。
「さてと、どうする?まだ何か乗りたいか?無いなら遊園地を出て食事に行かねぇか?」
遊園地に来てすぐに乗り物に乗りっぱなしで、まだ昼ご飯を食べていない。
私はさっきソフトクリームを食べたけど、まだ何も食べていない原田はきっとお腹が空いているだろう。
「充分に乗ったからいいよ。そだね、外で何か食べて帰ろうか」
私がそう答えると、原田は急に踵を返して私から離れていった。
「原田?」
その行動に首を傾げる。
すると原田が少し離れたところで立ち止まって声を出した。
「お前らも一緒に行くか?どうせ、まだ昼食べてないんだろ?」
原田の言葉に私は面を食らった。
…どういうこと?
一体、原田のやつは誰と話しているの?
すると原田の奥にある柱から出てくる人影が二つ見えた。
「えっ!?大!コウ!?」
驚きのあまり、思わず声を張り上げる。
二人共…ここで何をやってるのよ…!?
大とコウは渋々といった表情で原田に連れられて私の前へとやって来る。
「…よう」
大が目を泳がせて言った。
「ようじゃないわよ!まさか私たちをつけて来たの!?」
声に怒りを乗せて叫ぶ。
「大だけならまだしも、コウまで一緒に何をしているのよ…」
俯いて目を逸らしているコウを睨みつける。
「…すまん。つい…」
「…もう、ついじゃないわよ。最低…」
心の底から怒りが込み上げてきて、思いっきり頬を膨らませた。
「いいじゃねぇか、許してやれよ。幼馴染のデートが心配だったんだろ。それに二人よりも四人で昼飯食った方が楽しいじゃねぇか?」
隣に立つ原田が随分と大人なことを言う。
その所為か、今日は原田よりコウの方が子供に見える。
「…何で俺らが尾行してるって分かったんだよ?」
大がボソボソと言った。
「なんとなくお前らなら心配して見に来そうだなって思ったんだよ。まさか遊園地の中までついてくるとは思わなかったけどな…」
原田が呆れ口調で言うと、大とコウの表情が更に歪む。
それが面白くてなんだか怒りが和らいでいく気がした。
「…どこから気付いていたんだ?もしかして最初からか?」
コウが恐る恐る原田に訊いた。
「駅からだろ?正確には沖田の家からか?」
原田のご明察にコウの顔に悔しさが身地味出る。
「…ったく、馬鹿じゃないの?まあ、いいや…お腹空いたから早く行こ」
そう言って私は出口に向かって歩き出す。
その後、ファミレスで私たちは昼ご飯を食べた。
遊園地も楽しかったけれど、この四人でのファミレスの食事もとても楽しくて、私にとっては最高の思い出となったに違いない。
その時、私にはまだデートとか恋とかは少し早いのかもと思えた。
…まだ、私にはこんな仲間感覚の集まりの方が向いている。
あと、ファミレスで大が私の格好にケチをつけたので勿論鉄拳をお腹にお見舞いしてやった。




